暮らしに役立つ新QC七つ道具(8,最終回) ―― アロー・ダイヤグラム法:「時間」を「整理」する
そういって,部下A(アー)さんは,さらさらとこんな図を書き始めました.
部下A(アー):「やることを矢印で表わしてそこに予想される所要時間を入れるんだ.そして,A,B,Cのように,やることが終わった時点を丸印で書くんだよ.この丸印は小さなマイルストーン注1と考えてもらえばいいかな.こんな風にやることと所要時間の関係を見えるようにすることで,全体でどれくらい時間がかかるのか,分かるようにするんだよ.これらのパスを検討すれば,どれくらいかかりそうか,とか,どこに気をつけないといけないか,といったことが分かるんだ」 | |
Z(ツェット):「なるほど~」 | |
部下A(アー):「全体のスケジュールをこうやって検討していって,詳細は,プロジェクト管理のツールを使って細かく詰めるようにするといいと思うよ」 | |
Z(ツェット):「はい」 | |
部下A(アー):「ということで,時間について,もう少し検討して出してもらえるかな」 | |
Z(ツェット):「はい,分かりました」 |
それから,一日が過ぎて....
Z(ツェット):「A先輩,修正したプロジェクト計画ができました」 | |
部下A(アー):「そうかい.じゃあ見せてくれないか」 | |
Z(ツェット):「はい,これになります」 | |
部下A(アー):「見せてもらうよ(プロジェクト計画のページをめくる).うん,これなら計画としては,いいんじゃないかな」 | |
Z(ツェット):「ありがとうございます (ホッ)」 | |
部下A(アー):「まあ,実際はこうやって計画を立てても,予想していないことが発生したりして,変更しなければならないことも多いよ.計画を立てることと,実際に行うこととは,違うことだということは覚えておいてほしいな (ニコッ)」 | |
Z(ツェット)「はい,わかりました (ドキッ)」 |
注1:マイルストーン(Milestone)とは,プロジェクト管理において節目となる成果物や工程などをいいます.試作版の作成や,開発の次段階へ進んでもよいかを判定する会議などは,その典型的なものです. |