暮らしに役立つ新QC七つ道具(7) ―― PDPC:「リスク」を「整理」する
●解説
部下B(ベー)さんがZ(ツェット)君に教えた方法は,新QC七つ道具では「PDPC(Process Decision Program Chart)」と呼ばれています.
PDPCとは,計画の中に問題や不測の事態が発生した場合の対応を検討して,行動や方法を考えるためのものです.「過程決定計画図」と呼ばれることもあります.1968年,当時の東大工学部の近藤 次郎教授によって,東大紛争での問題解決や意志決定の手法として開発されました.
部下(ベー)Bさんが言っていたように,計画を一つのプログラムと見立てて,フローチャートを書くというのが,イメージとしては一番分かりやすいのではないかと思います.
図1 PDPCの例
PDPCは,大きく「逐次(ちくじ)展開型」と「強制連結型」に2分されます.逐次展開型は,現在の状態から,目標に向かって計画をその度に修正しながら展開するものです.開発など,新規に物事を進めていく場合に使われます.
強制連結型は,初期の状態から起こりうるあらゆる状態を予見するものです.事故の防止などを検討するのに使われます.
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次回は「アロー・ダイヤグラム法」を取り上げます.お楽しみに.(^ ^)
◆筆者プロフィール◆ 国広 洋一(くにひろ・よういち).東京多摩在住の組み込み系ツール企業勤務エンジニア.『基本から学ぶソフトウェアテスト
』の勉強会に参加したことをきっかけに,社外の勉強会にときおり参加しています.TEF(Testing Engineer's Forum;ソフトウェアテスト技術者交流会)やSQiP(Software Quality Profession,スキップと発音する)の勉強会に行くと会えるかも.TestLink日本語化部会のメンバでもあります.オープン・ソースのテスト管理ツールであるTestLinkをどうぞよろしく.