Wiiリモコンで操作できるプレゼン・マシンの製作(2) ―― Wiiリモコンを動作させるためのミドルウェアを組み込む
tag: 組み込み ディジタル・デザイン
技術解説 2009年10月27日
番外編.BeagleBoardをケースに入れよう!
BeagleBoardに全ての周辺機器をつなぐと,ケーブルがいっぱいでちょっとカッコ悪いと思っている方は少なくないと思います(筆者もその一人).そこで,BeagleBoardと周辺機器をケースに収納してしまい,見た目をスッキリさせたいと思います.
●ケースの選定
まずはケースの選定です.BeagleBoardと周辺機器がスッポリと納まり,値段もそれほど高くないものを探しました.最終的に選んだのは玄人志向の「玄蔵」というmac mini風のHDDケースです.ちょっと大き過ぎる気もしますが,見た目がクールなので良しとします.シリーズがいろいろありますが,今回は箱だけを使用するため,一番安い「GW3.5MM-U2」を購入しました(写真3).
●ケースとUSBハブの改造
前回の「周辺機器の接続」に掲載した写真には,BeagleBoardと同じくらいのサイズのUSBハブが映っていたと思います.大きくて邪魔になりそうですが,実はこのUSBハブを選んだのには理由があります.このUSBハブには外部に電源を供給するための専用コネクタ(mini USB)がついており,BeagleBoardの給電として使用できるのです.USBハブから給電することにより,装置に接続する電源アダプタが一つで済み,接続するケーブルが減ってスッキリさせることができます.
USBハブのDCジャックをケースの背面に配置したいため,USBハブを改造します.DCジャックをはんだごてと吸い取り器を使って基板から取り外し,単純にリード線で延長しました(写真4).
ケースに取り付けられているものは全て外します.また,ケースの背面パネルは底板と一体化しているため,切り離します.このほか,ネジ穴など,配置に邪魔なものはニッパで切除します.天板はそのままでも良いのですが,筆者は見た目にこだわって半透明アクリル・パネルで作り直しました.さらに見た目にこだわり,ドロイド君を透明シールに印刷し,天板の中央に貼りました(写真5).
●組み立て
BeagleBoardと周辺機器の配置が決まったら,底板に接着していきます.接着には,やり直しがきくホット・ボンドを利用しました.BluetoothのUSBアダプタはLEDがケースの前面の穴から見えるように,USBケーブルで延長しました.ケースの内側にはUSBポートが三つあまると思うので,無線キーボードのレシーバ,WiFiアダプタなどを接続しました.背面パネルですが,筆者は無精なので透明プラ板をあてがって各プラグを挿す位置をマークしたあと,カッタで切り抜きました.そして,そのあとプラ板にアルミ・テープを貼りました(写真6).
●動作確認
あらかじめSDカードにプレゼンテーション資料を画像化したもの(※3)を格納しておき,BeagleBoardにDLP PicoとACアダプタを接続してAndroidを起動させます.Android標準のGalleryアプリケーションを起動してプレゼンテーション資料を表示し,Wiiリモコンでページが切り替えられることを確認しましょう.
※3 PowerPointであれば,「ファイル(F)」→「名前をつけて保存(A)」で全てのページをjpegなどの画像形式に一括変換できる.
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2回に渡り,WiiリモコンをAndroidで動作させるための手順を紹介していきました.Wiiリモコンをポーティングしたのが半年前のことなので,思い出しながら本稿を執筆しました.番外編では久しぶりにはんだごてを使ったので,実はけっこう失敗しました(途中でUSBハブの色が変わっているのはそのため).面白いネタが見つかったらまた執筆させていただきたいと思いますので,みなさんもいろいろとチャレンジしてみてください.
わたなべ・けんじ
(株)アイ・エス・ビー /
Open Embedded Software Foundation ディストリビューションWG /
日本Androidの会 組み込みWG