USB 3.0のプロトタイプ・システムが続々公開,Windows 7のデモも登場 ―― SuperSpeed USB Developers Conferenceレポート
●実際に動作しているプロトタイプが続々
SuperSpeed USB Developers Conferenceの会場には展示エリアが設けられており,半導体メーカやIPコア・ベンダ,計測器メーカ,認証取得支援サービス会社など,20社近い企業がブースを構えて各社の製品を展示していた(写真6).
[写真6] 展示エリアの風景
米国Texas Instruments社は,SuperSpeed USB対応の物理層(トランシーバ)LSI「TUSB1310」を発表した.展示エリアでは,本LSIを搭載したホスト(パソコンに接続したPCI Expressボード)とターゲット(ハード・ディスク装置)の間で映像データを伝送するシステムを公開した(写真7).今後同社は,ハブ用LSI,SuperSpeed USBとSerial ATAのブリッジLSI,SuperSpeed USBとフラッシュROMをつなぐLSIなどを開発する計画.
[写真7] Texas Instruments社のデモンストレーション・システム
IPコア・ベンダでは,カナダのGennum社(Snowbush部門)がSuperSpeed USBに対応した物理層IPコア「USB 3.0 PHY」のデモンストレーションを行った(写真8).本IPコアは,TSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Co.)やUMC(United Microelectronics Corp.)などのファウンドリが持つ65nmの低消費電力プロセスで製造することを想定して開発した.また,同社はターゲット・コントローラIPコア「USB 3.0 Device Controller」なども開発している.
[写真8] Gennum社のデモンストレーション・システム
IPコアやデバイス・ドライバ,SoC設計に利用する検証環境を提供している米国Synopsys社もデモンストレーション・システムを展示した(写真9).同社のIPコアを実装したFPGAとTexas Instruments社の物理層LSIを利用して映像データを伝送してみせた.また,フランスPLDA社や米国GDA Technologies社もホスト・コントローラIPコアやデバイス・コントローラIPコア,ハブ用IPコア,開発用ボードなどを紹介した.一方,米国Cadence Design Systems社はSuperSpeed USBの検証環境を展示した.同社の機能検証環境である「Specman」を利用してプロトコル仕様をチェックする環境を構築した(写真10).
[写真9] Synopsys社のデモンストレーション・システム
[写真10] Cadence社の検証環境の画面
計測器メーカでは,米国Agilent Technologies社がコンプライアンス・テストに利用するネットワーク・アナライザを展示した(写真11).NECエレクトロニクスがホスト・コントローラLSIの開発に利用しているという.また,米国LeCroy社はプロトコル・アナライザ「Voyager」やトランシーバ用テスタなどを展示した(写真12).同社のプロトコル・アナライザは,多くのブースのデモンストレーションに利用されていた.スイスのellisys社もSuperSpeed USBに対応したプロトコル・アナライザを紹介した.
[写真11] Agilent社のネットワーク・アナライザ
[写真12] LeCroy社のプロトコル・アナライザやトランシーバ用テスタ
このほか,携帯電話用ソフトウェアのベンダである米国MCCI社はSuperSpeed USB対応のプロトコル・スタック・ソフトウェアを,台湾Allion Test Labs社は自社の認証取得支援サービスをアピールした.