暮らしに役立つQC七つ道具(2) ―― チェック・シート:事件は「現場」で起きている
この連載では,ソフトウェア開発の品質管理(QC:Quality Control)において使われている七つの技法「QC七つ道具」について解説する.今回は,普段の生活の中でも活用している「チェック・シート」を取り上げる.(編集部)
●七つ道具その2:チェック・シート
今回取り上げるQC七つ道具は,「チェック・シート」です.チェック・シートとは,あらかじめ決められた項目に結果を記入していく方法です注1.チェック・シートには,点検や管理に必要な項目や図などを記載します.例えば,製造業において,不良の発生個所と不良の個数を関連付けて記録したり,製品図中の〇で囲まれた点検個所を指定された方法でチェックしていく,といった使い方をします(図1).

[図1] チェック・シートの例
注1:前回,QC七つ道具のうち「層別」は「考え方」であり,それ以外の七つ道具は「方法」である,と説明しました.
チェック・シートの典型的な使い方の一つが「チェック・リスト」です(皆さんも何らかの形で使われたことがあると思います).チェック・リストは,チェック項目を単純な箇条書き(一次元)にしたリストであり,レ点や丸などを付けてチェックしていくのが一般的な使い方です(図2).チェック・リストを使うことにより,もれを防止することができます.

[図2] 旅行用チェック・リスト
●目的に合わせて項目を検討しよう
チェック・シートの作成にあたっては,以下のことが重要です.
- 目的に合った項目を考えること.
- 項目に過不足がないこと.
- 記入(チェック)しやすいこと.
チェック・シートを作成する目的は,大きく分けて2種類あります.一つは「もれの防止」,もう一つは「データの取得」です.もれの防止については,先ほど説明したチェック・リストで分かっていただけたかと思います.データを取るための使い方としては,結果の記録が代表的なものですが,実際にはもれの防止と兼ねていたり,データの取り方にしても「計数(数を数える)」や「計量(量を測る)」というようにいろいろなやり方があります.
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