ハンズフリーのヘルメット型端末を使って現場の映像と音声を遠隔オフィスへ ―― 第6回 自動認識総合展 大阪

北村 俊之

 2009年2月12日~13日の2日間,マイドームおおさか(大阪市中央区)にて自動認識技術についての専門展示会「自動認識総合展 大阪」が開催された(写真1).本展示会は,今回で6回目(前身の「バーコード&RFIDシステムフェア」を含めると7回目)を迎える.バーコードや2次元シンボル,RFID,ICカード,磁気カード,バイオメトリクスなど,自動的にデータを読み込み,内容を認識する技術や製品を取り扱う.主催は日本自動認識システム協会.

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[写真1] 会場受付の様子  ※クリックすると,写真を拡大できます

●ウェアラブル端末を使って作業員と管理者がコミュニケーション

 NECエンジニアリングは,谷沢製作所製のウェアラブル端末「Uメット」を活用したシステムについてのデモンストレーションを行った(写真2).本端末は,現場にいる作業者と遠隔地の事務所やオフィスの管理者の間のコミュニケーションに利用する.映像や音声,警報,位置情報などにより,作業員の状況を管理者にリアルタイムに伝える.ケーブルレス,ハンズフリーであり,装着者は本端末の操作を気にすることなく作業が行えるという.
 現在,電子機器内蔵ユニットを合体した保護帽(ヘルメット)として,厚生労働省型式検定を取得中.通信方式は無線LAN(IEEE 802.11b/g)とモバイル通信網(3.5G HSDPA)に対応し,スイッチにより切り替えられる.映像データの圧縮・伸張にはMotion JPEGを利用する.無線LAN利用時の解像度はVGA(640ピクセル×480ピクセル),モバイル通信網利用時はQVGA(320ピクセル×240ピクセル).

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[写真2] 谷沢製作所製のウェアラブル端末「Uメット」

●防滴性能と環境耐性を備える堅牢なWindows CE端末

 東研は,PDAの汎用性とハンディ・ターミナル(業務用携帯端末)の堅牢さを兼ね備えた2次元コード対応の携帯端末「TBR-6500D」を展示した(写真3).OSとしてWindows CE 5.0を採用し,無線LAN(IEEE 802.11b/g)とBluetooth 1.2の無線通信機能を標準搭載している.CPUは520MHz動作のIntel PXA270.USBホスト/クライアント・インターフェースを備える.IP54の防滴性能と環境耐性(落下衝撃性能1.2m)に対応する.
 2次元バーコードについては,DataMatrix(ECC200),PDF417,MaxiCode,QRコード,マイクロQR,マイクロPDF,RSS合成シンボルを読み取れる.1次元バーコードについては,JAN/EAN/UPC,ITF,Codabar,Code39,Code93,Code128,EAN128,Standard 2of5,Code11,Code32,RSSコードに対応する.

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[写真3] 東研の「TBR-6500D」

●幅広いコードに対応した固定式読み取り端末を展示

 イメージャーは,CMOSセンサを搭載した固定式のバーコード読み取り端末(エリア・イメージャ)「FM2350」,「FM204」を展示した(写真4).開発元は米国Honeywell社.本端末によって,1次元バーコード,DataMatrixや医療材料用RSS(GS1 DataBar)Codeなどの2次元バーコード,OCRフォント,日本郵便コードなどを読み取れる.ディジタル画像を取り込み,保存したデータを物品の流通履歴管理(いわゆるトレーサビリティ)に利用することも可能.
 FM2350は側面読み取りモデルで,高解像度のCMOSセンサを採用している.FM204は前面読み取りモデルで,読み取り深度の異なる2機種(標準レンジとロング・レンジ)を用意する.

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[写真4] イメージャーの「FM2350」,「FM204」

●CCDライン・センサを組み込んでバーコードを高速読み取り

 デンソーウェーブは,バーコードの読み取りに対応したハンディ・ターミナル「BHT-805BW」を展示した(写真5).本ハンディ・ターミナルは,エルゴノミック・デザインの筐体を採用しており,視野の広いCCDライン・センサや2.6インチ型のQVGAカラー液晶ディスプレイ,無線LAN(IEEE 802.11b/g)による無線通信機能を備えている.JANコードやITFなど,ほぼ全てのバーコードを100mm以内の距離で読み取れる.
 スキャン速度は200回/s.スピーカが上面中央に搭載されており,読み取り確認や警告,メッセージ受信などをサウンド再生によって伝えることができる.本ハンディ・ターミナルの開発用アプリケーション・ソフトウェアとして,「BHT-BASIC 4.0 開発パック」を用意する.

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[写真5] デンソーウェーブの「BHT-805BW」

●企業向けPDAに2Mピクセルのカメラ機能を搭載

 モトローラは,企業向けPDA「MC75」を展示した(写真6).本端末は,第3世代携帯電話の広域ネットワーク(HSDPA,CDMA EV-DO),無線LAN(IEEE 802.11a/b/g),Bluetoothに対応しており,音声通信とデータ通信を同時に行える.例えば,文書や写真ファイルを電子メールとして送信しながら,同時に電話をかけられる.
 同社の従来機である「MC70」に対して,2Mピクセルのカラー・カメラを追加した.また,バッテリ駆動時間をのばし,セキュリティを向上させたという.搭載OSはWindows Mobile 6.0.

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[写真6] モトローラの「MC75」(写真の中央)

●食品業界向けの小型ラベル・プリンタを展示

 サトーは,食品表示ラベルの原材料や賞味・消費期限などを印刷するための小型プリンタ「Barlabe FI212T」を展示した(写真7).ドット密度は305dpiで,情報量の多い食品表示ラベルの小さい文字もきれいに印字できるという.外形寸法は132mm×194mm×147mm,重量は約1.7kg.
 LANや無線LANなどを介してネットワークに接続すれば,本部のサーバを更新することで店舗のプリンタの登録内容を自動更新できる.これにより,ラベル記載内容の変更漏れや新規追加時のデータ更新漏れを防ぐことができる.

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[写真7] サトーの「Barlabe FI212T」

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