システム技術者のための測定ワンポイント・テクニック(5) ―― RFIDタグ・カードの共振周波数測定
tag: 実装 電子回路 ディジタル・デザイン
技術解説 2009年1月26日
● 共振点はスペクトラム・アナライザで測定する
測定にはトラッキング・ジェネレータ付きのスペクトラム・アナライザを使用します.
治具として,写真2のような10cm/2tのコイルを使用します.BNCコネクタのコモンを共通にして,コイルの両端をBNCのしん線にはんだ付けします.
写真2 筆者の製作した測定用アンテナ
トラッキング・ジェネレータ付きスペクトラム・アナライザへの接続について説明します.BNCの片側はトラッキング・ジェネレータからの信号を入力し,反対側をスペクトラム・アナライザの入力に接続します.ちょうどS21測定と同じ接続になります.
コイルは,共振点が測定周波数の13MHzより十分に高い周波数になるように作成します.このときの伝送特性を図2に示します.共振点は63MHzと十分に高い周波数となっています.また,20MHz付近にRFIDタグ・カードの共振点が観測されます.
図2 測定用アンテナの共振点と,RFIDタグ・カードの共振点
アンテナのみの測定であるため,アンテナの共振点は20MHz.
測定系全体のセットアップを写真3に示します.アンテナは変換コネクタで直接,スペクトラム・アナライザに接続しています.その上にカード・ホルダを載せ,その上にRFIDタグ・カードを載せて測定しています.
写真3 実際に測定している様子