NGN関連の製品や技術が続々登場 ―― ファイバーオプティクスEXPO(FOE2009)

北村 俊之

 リード エグジビション ジャパンは,2009年1月21日~23日,光通信業界の専門技術展「第9回 ファイバーオプティクスEXPO(FOE2009)」を東京ビッグサイト(東京都江東区)にて開催した(写真1).本展示会には,基幹系からアクセス系までの光通信システム,伝送装置,デバイス,次世代ネットワーク(NGN)関連の製品・技術などが展示されていた.

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[写真1] 会場受付の様子

 NGNが普及すれば,これまで別々に構築されていたインターネットと電話の通信網がIP技術によって統合されることになる.これに伴い,光ファイバ敷設やネットワーク構築,サービス運用などの需要の拡大や,コストの削減が期待されている.また,NGNによって通信と放送もIPネットワークで統一されるため,通信と放送を融合したサービスが今後さらに増えることが予想されている.

 現在,通信業界では,NGN,WiMAX,FMC(Fixed Mobile Convergence),無線LANなどといった無線通信と光通信との融合や技術革新が求められている.会場内の特設エリアで併催された「無線アクセス ネットワーク 2009」には,WiMAXや無線LANなどの無線アクセスの関連商品が展示されていた.

●軽くたたくだけで光ケーブルを識別可能

 原田産業は,光ファイバを軽くたたくだけで識別できる光ケーブル識別器「FT-8000」を展示した(写真2).ケーブルを撤去する際に,従来の識別器ではケーブルを曲げて確認する必要があったため,光のロスが生じていた.本識別器はケーブルを軽くたたくだけで装置側のLEDで識別できる.誤って異なるケーブルをたたいても光のロスが生じないので,安全に撤去作業を行える.また,携帯電話を介して検知音を送り,確認することもできる.

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[写真2] 原田産業の「FT-8000」

●端面モニタでコネクタの汚れを排除

 NTTアドバンステクノロジは,米国JDS Uniphase社が開発したデュアルCCDタイプ端面モニタ「FBP-HD3-PA」を展示した(写真3).光ネットワークの不具合の70~80%は,光コネクタの汚れが原因である.光コネクタの端面検査を行えば,汚れによる不具合の割合は15%程度まで減少するという.

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[写真3] JDS Uniphase社の「FBP-HD3-PA」

 本モニタは,プラグ側とモニタ側をワンタッチで切り替えられるので,従来の半分以下の作業時間で端面を検査できる.観察倍率は200倍で,1.8インチTFTモニタを搭載している.数μmの汚れでも目視でき,汚れの清掃漏れがほとんどなくなるという.このほかオプションとして,観察倍率400倍の傷解析まで可能なモニタや,USBモジュールなども提供している.

●複数台をワンラックに収納,組み合わせ自由なラックシステム

 七星科学研究所は,複数台の光通信機器をワンラックに収納し,配線を省スペース化した「19インチラックシステム」を展示した(写真4).映像,音声,制御,接点信号が最大16点まで収納でき,ユニットを自由に組み合わせられる.各ユニットはスライドイン方式で設置できる.電源の一括供給,二重化を採用し,信頼性を高めたという.

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[写真4] 七星科学研究所の「19インチラックシステム」

●独自開発のLSIでミックスト・シグナル・オシロスコープを小型化

 横河電機は,小型・軽量・低価格をコンセプトにした,周波数帯域200~500MHzのミックスト・シグナル・オシロスコープ「DLM2000シリーズ」を展示した(写真5).本オシロスコープは,中核技術を1チップに集積した独自開発のLSI「ScopeCORE(スコープコア)」の搭載により,小型(293×226×193mm)・軽量(4.2kg)を実現している.4チャネル目に,アナログ/ディジタルの切り替えが可能なハイブリッド・チャネルを搭載しており,アナログ4チャネル,またはアナログ3チャネル+ディジタル8チャネル(ロジック8ビット)の入力が可能.搭載メモリは125Mpts,最高サンプル・レートは2.5GS/s.使用頻度が高い機能を独立配置し,メニューやパネルは8カ国語対応とした.

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[写真5] 横河電機の「DLM2000シリーズ」

●検査精度を高める光コンポーネント・アナライザ

 アジレント・テクノロジーは,マルチモード1310/1550nmのライトウェーブ・コンポーネント・アナライザ(LCA)「N4373C」を展示した(写真6).本アナライザは,S21やS11/S22などの電気-光Sパラメータをマルチモード条件下でテストできる.代表的なアプリケーションとして,10GビットEthernet,8Gビット/10Gビット/16Gビットのファイバ・チャネルのSパラメータ・テストに対応している.また,将来のHPCでのチップ間接続や,光コンピュータ,サーバ・バックプレーン用の超短距離電気-光コンポーネントのテストにも対応している.

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[写真6] アジレント・テクノロジーの「N4373C」

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