市場で実績のある3Dディスプレイに注目が集まる ―― 立体Expo'08(立体映像産業展2008)

組み込みネット編集部

tag: 電子回路

レポート 2008年12月 9日

●パララックス・バリア方式を利用した裸眼立体ディスプレイ

 旭エレクトロニクスは,ドイツTRIDELITY DISPLAY SOLUTIONS社の裸眼立体ディスプレイを展示した(写真4).視差を利用するパララックス・バリア方式を採用しており,最適視聴距離においては眼鏡がなくても立体映像を楽しめる.27インチ型「MV2700」の最適視聴距離は2.5mで,解像度は1920ピクセル×1200ピクセル.最大消費電力は140W.価格は100万円.

 オプションとして,3D StudioMAXやMayaといったCG・アニメーション制作ソフトウェア向けのプラグインや,3Dビデオ映像の編集ツールなどを提供する.なお,同社では3Dコンテンツの制作も請け負う.

 パララックス・バリア方式の原理は以下のとおり(1).2枚(またはそれ以上)の視差像を上下方向に長く切って交互に並べる.その画像の手前にパララックス・バリアを置く.このバリアは画像を並べた周期と同じ周期を持ち,開口部の幅は要素画像と同じにする.この画像をある距離から見ると,左右の目に別々の画像を分離して提示することができ, 両眼視差が発生する.

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[写真4] 27インチ型裸眼立体ディスプレイ「MV2700」の外観

●レンチキュラ・レンズ方式を利用した裸眼立体ディスプレイ

 日商エレクトロニクスは,オランダPhilips Electronics社の裸眼立体ディスプレイを展示した(写真5).視差を利用するレンチキュラ・レンズ方式を採用している.同社独自のレンチキュラ・スクリーンを利用することで,液晶パネルの元の明るさをほとんど維持しているという.映像合成用プロセッサ「IC3D」を搭載しており,2次元映像にDepth Mapと呼ばれる白黒の奥行き情報を追加するだけで立体表示が可能となる.

 42インチ型「42-3D6W」の最適視聴距離は3mで,解像度は1920ピクセル×1200ピクセル.立体表示の解像度は960ピクセル×540ピクセル.消費電力は230W.価格は198万円.

 オプションとして,3D StudioMAXやMayaといったCG・アニメーション制作ソフトウェア向けのプラグインを用意する.同社では利用者から2次元の実写映像を受け取り,3次元映像に加工して渡す「2D-3D変換サービス」を有償にて提供する.

 レンチキュラ・レンズ方式の原理は以下のとおり(2).2枚(またはそれ以上)の視差像を上下方向に長く切って交互に並べる.その画像の手前にレンチキュラ・レンズを置く.このレンズは,画像を並べた周期と同じ周期を持ち,焦点位置は画像面となるようにする.この画像をある距離から見ると,左右の目に別々の画像を分離して示すことができ, 両眼視差が発生する.

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[写真5] 42インチ型裸眼立体ディスプレイ「42-3D6W」の外観

参考・引用*文献 (1)パララックスバリア方式の原理,日本大学 理工学部 電子情報工学科 吉川研究室のWebページ.
http://panda.ecs.cst.nihon-u.ac.jp/oyl/3d/parab.html
(2)レンティキュラレンズ方式の原理,日本大学 理工学部 電子情報工学科 吉川研究室のWebページ.
http://panda.ecs.cst.nihon-u.ac.jp/oyl/3d/lenti.html

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