システム技術者のための測定ワンポイント・テクニック(3) ―― テスタによる簡易インピーダンス測定法

津野 徹

tag: 実装 電子回路

技術解説 2008年12月 1日

● 治具を製作する

 測定に入る前に治具を作成します.バナナチップ・プラグにクリップを取り付けます.被測定物に合わせて自由に作成してください.写真5に筆者の治具を示します.ただし,あまり浮遊容量が大きすぎると,テスタ側で除去できないので,10pF以下で作成します.10pFは50Ω同軸ケーブルの10cm分に当たります.

ph05_01.jpg
写真5 静電容量を測定するための治具

● 測定開始!

 いよいよ測定に入ります.初めにテスタのレンジ・ダイヤルを,コンデンサ表示に切り替えます.ここで60p~70pFくらいの値が表示されます.実際は0.066nFという表示になっているはずです.1nF=1000pFですから,66pFとなるわけです.

 次に測定系の浮遊容量をキャンセルするために「REL△」のスイッチを押します.すると,表示は0.000nFとなり,キャリブレーションが完了します.ここで写真6のように,被測定物を接続します.このときの表示がインピーダンスと等価になります.写真6では,約25cmの同軸ケーブルで26pFですから,インピーダンスはおよそ50Ωと分かります.

ph06_01.jpg
写真6 同軸ケーブルの容量を測定中

 筆者の手元にあった1mのフラット・ケーブルの線間容量は30pFでした.この場合,ケーブルのインピーダンスは150Ωとなります.

 このようにして,いろいろな分布定数回路の容量(特性インピーダンス)を測っておくと便利です.

つの・とおる
横河電機(株)

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