初めてのETロボコン (4) ―― そして,大会当日

大山 将城

tag: 組み込み

コラム 2008年10月 2日

●そして本番へ

 大会当日の朝,嬉しかったのが天候です.見事な曇り,"ETロボコン日和"でした注2

 注2;関東地区大会の会場は,天井から外光が差し込むアトリウムだったため,天候の影響を少なからず受ける.例えば,午前中に試走を行って調整しても午後は光の状況が変わってしまったり,強い日差しだと乱反射があったりして,うまくいかない場合が多い.状況が変わりにくい「曇り」が最適ということになる.

 会場に着くと既に多くのチームが最終調整を行っていました.当日は15分×2回の試走が割り当てられており,これが本番コースを試す最後のチャンスです.私たちは,1回目の試走でアウト・コース用のプログラムを,2回目の試走でイン・コース用のプログラムを,それぞれ試すことにしました.

●試走,チャンスは2回だけ

 1回目の試走の時間になりました.アウト・コース用のプログラムを試したところ,試走会IIと同じように,坂の頂上付近で少し左にそれる不安定な走りでした.そこで,坂道における光センサの値を取得し,調整.これでアウト・コースの周回はバッチリです.後は,ゴール後停止を確認できれば...よかったのですが,2周目のゴール直前でほかのチームのロボットとぶつかるというアクシデントが起き,そのまま1回目の試走が終わってしまいました.コースを複数チームでシェアしているためやむを得ないアクシデントでしたが,不安が残りました....

 イン・コース用のプログラムに対しても坂で不安定にならないように修正を行い,2回目の試走の時間を迎えました.ツイン・ループはキャット・ウォーク作戦が決まれば! と見守る中の1周目,ロボットは一つのループを回ってしまいつつツイン・ループ区間を抜けるという想定外の走りを見せました.そして2周目は,無事キャット・ウォークを決めて完走です! どうも1周目は,ツイン・ループの入り口でスピードが乗りすぎて,入り口の灰色マーカの検知に失敗したようです.ここを修正するのが最後の課題になりました.

●いよいよ本番!

 本番が始まりました(写真1).2チームずつでイン・コース,アウト・コースを走ります.TAMA Lab.は21レースのうち19番目のスタートです.

004_p1.jpg
[写真1] ほかのチームのレースを見守る

 1回目はアウト・コースのスタート.人差し指に緊張が走りましたが注3,無事スタートを切りました(動画1).2周をフルスロットルで周回しています.あとはゴール後停止できれば...ば...ば....うーん.ゴール後5秒くらい進んだところで停止しました.坂入り口ではなく,坂出口の灰色マーカを検出したようです.残念.でも,結果としては46秒台とまずまずのタイムでした.

 注3;ETロボコンの本番では,「ロボットのスタート・ボタンを押し間違えてリタイヤ」というアクシデントが意外と多い.「本番には魔物がいる」と言われるゆえんである.

[動画1] アウト・コースは完走(49秒)

組み込みキャッチアップ

お知らせ 一覧を見る

電子書籍の最新刊! FPGAマガジン No.12『ARMコアFPGA×Linux初体験』好評発売中

FPGAマガジン No.11『性能UP! アルゴリズム×手仕上げHDL』好評発売中! PDF版もあります

PICK UP用語

EV(電気自動車)

関連記事

EnOcean

関連記事

Android

関連記事

ニュース 一覧を見る
Tech Villageブログ

渡辺のぼるのロボコン・プロモータ日記

2年ぶりのブログ更新w

2016年10月 9日

Hamana Project

Hamana-8最終打ち上げ報告(その2)

2012年6月26日