編集者が体当たり,自分の組み込みスキルを診断してみる ―― 全国スキル調査2008

組み込みネット編集部

tag: 組み込み

レポート 2008年7月 1日

 2008年6月16日~7月31日の期間,有限責任事業組合(LLP)であるITスキル研究フォーラム(iSRF)が「全国スキル調査2008」を行っている(図1).これは,システム開発やソフトウェア開発に携わるエンジニアやマネージャ,スタッフなどを対象とした有料のスキル診断システムを,調査期間に限り,無記名・無料で利用できるものである.

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[図1] 全国スキル調査2008のWebサイト
URLはhttp://www.isrf.jp/chousa/2008/gd7xh.aspである.

 しかし,「いくら無料だと言われても,そんな調査に時間を割いていられない」と思われる方もいることだろう.そこで,編集部がこのスキル診断を試してみて,具体的な内容や,どのような診断結果が表示されるのかをレポートすることにした.

●ETSS(組込みスキル標準)に沿った診断が可能

 スキル診断は「IT技術者向け」,「組込み技術者向け」,「ユーザー企業技術者向け」の3種類が用意されている.このうち,組み込み技術者向けの診断は,経済産業省が策定した「組込みスキル標準(ETSS)」に沿った内容となっている.具体的には,診断開始前にプロフィールとして自分の職種や専門分野を選択すると,その職種に必要とされるスキルを加味した診断結果を表示する(図2).また,診断結果を,職種や専門分野の平均と比較することもできる.

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[図2] 診断結果の例(「職種別スキル」-「スキル分布詳細」,クリックすると画像を拡大できる)
「あなたのスキル」と,その職種・専門分野に必要とされるスキルを重ね合わせて表示してくれる.足りないスキルが一目瞭然だ.

●診断の流れを確認する

 それでは,スキル診断を始めてみよう.組み込みネットのトップページに貼ってあるバナーをクリックすると,スキル診断のWebサイトが開く.そこから「組込み技術者向け」をクリックすると,組み込み技術者向けの専門サイトが開く(図3)

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[図3] 組み込み技術者向けの「全国スキル調査2008」

 「初めて参加する方はここをクリック」をクリックすると,簡単なプロフィールと,ID・パスワードを登録する画面(エントリー・シート)が開く(図4).この中で,ETSSに沿った形で,現在の職種・専門分野,将来希望する職種・専門分野を選択する.自分がどの職種に相当するのか分からない場合は,業務内容と職種の対応を示すページが参照できるので,ここから自分に合った職種を選択する(図5)

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[図4] プロフィール入力画面
ここで入力したプロフィールは統計的に処理されるので,安心して正直に入力するとよいだろう.スキル診断結果に直接影響するのは,現在の「職種/専門分野」と,将来希望する「職種/専門分野」である.なお,プロフィール情報は後から変更することもできる.

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[図5] 職種・専門分野を検討,選択する画面(クリックすると画像を拡大できる)
編集者はエンジニアではないため,どの職種を選択するかで大いに迷った.この画面であれこれ考えた末,「ドメイン・スペシャリスト」を選択してみた(ちょっと無謀だったか?!).

 プロフィール入力が終わると,いよいよ診断開始だ.項目は「コアスキル診断」,「パーソナル診断」,「ビジネス」,「達成度指標」,「開発技術」,「管理技術」,「技術要素」の7項目に分かれている.「コアスキル診断」を開くと設問が72問も出てきてびっくりするが,これは普段の考えや行動に近いものを五つの選択肢の中から選択するものであり,深く考えずに入力できる(図6).また,入力の途中で回答を保存できる.これは,まとまった時間がとれないときに便利だと思った.

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[図6] スキル診断実施画面(コアスキル診断,クリックすると画像を拡大できる)
ちなみにパーソナル診断は12問,ビジネス診断は8問,達成度指標は14問,開発技術診断は18問,管理技術診断は35問,技術要素診断は45問である.

●参加者特典として性格や文章力も診断できる

 すべての回答を入力し終えると,スキル診断結果を閲覧できる(図7).自分のスキル診断結果を,全国平均や職種平均などと比較したり,スキルアップのためのアドバイスの文章が出力される(図8).また,入力を完了した人への特典として,モチベーション診断や性格診断,文章力診断などのサービスも用意されている(図9)

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[図7] 診断結果の例(「職種別スキル」-「スキルレベル」,クリックすると画像を拡大できる)
この診断結果を見ると,「多少の聞きかじった知識はあるが,実務的な技術が伴っていない」ことが手にとるように分かる.ビジネス・スキルが皆無である点には泣けた.

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[図8] 診断結果の例(「コアスキル」-「アドバイス」,クリックすると画像を拡大できる)
コアスキルとして,前向きな姿勢は評価されたものの,技術に関する自信のなさをずばり指摘された.「全体的に力不足を感じている人は,他と比較して優れているところからレベルアップする努力をしてみてはどうでしょうか」とのこと.ためになるお話,ありがとうございます....

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[図9] 性格診断結果例(左)と文章力診断結果例(右)
文章力診断だけは,ちょっと自慢できる結果が出て一安心.なお,文章力診断に入力する文章の句読点は「、。」で記述する必要があるとのことだ.

 実際にスキル診断を体験してみて,これまで漠然と自己評価していたことを具体的かつ客観的に提示してくれるありがたさを感じた.また,どうスキルアップすればよいのかをアドバイスしてくれる文章には,妙に納得してしまった.「なぜこのシステムは,こんなに私のことを分かっているのだろう?」という,不思議な感覚である(自分の回答,つまり自己申告に基づいて診断が下されているので,当然と言えば当然なのだが...).

 本調査は,毎年この時期に無料で行われている.1年に1回,自分のスキルを確認するために,本調査を活用してみるのもよさそうだ.

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