生徒が欲しい「物」,製作プロジェクト 第2回 ―― LEDイルミネーション付き花瓶の製作

栗田淳一

tag: 電子回路

エレキ系DIY 2008年4月 2日

●次なる挑戦!

 就職活動,進学活動も終わった後,また新しいものに取り組みました.お手伝いしてくれた生徒が,3月23日(日)に,名古屋工学院専門学校主催「第12回熱田の森ロボット競技会」のライン・トレース・カー部門に出場しました.

 自走式の車が,黒地の床に張られた幅19mmの白いラインに沿って,約20mを走行するタイム・レースです.昨年は別部門でしたが,歩行ロボット徒競走部門 2足型の部に参加し,今回の製作を担当してくれた生徒が特別賞をいただきました.

 筆者が指導してきた生徒たちには,「ユニークさを売り物とする作品を!」と指導しており,今までに3度の特別賞をいただきました.今回はボディをできるだけ小型化し,かわいらしい自走式のライン・トレース・カーの製作にチャレンジしました.ただし,この大会時期の前後は,生徒にとって自動車学校やら卒業式やらと,ドタバタするので,ボディは市販の車を改造しての参加としました.写真5の右から歴代の車2台,昨年の2足歩行ロボット,今回出場した車(飲料水のおまけ:ATTiny2313で制御)です.

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[写真5] 大会に参加した車(左側)と歴代の参加作品

 大会には,今回の生徒と応援に来てくれた先輩の混成チームで出場しました.本来の参加資格は高校生チームとなっているので,先輩は直接製作にはかかわっていません.その先輩は,写真5の右端の車を製作し,初代「特別賞」をいただいた方で,筆者が別の学校で指導した卒業生です.現在は某自動車関連会社の技能五輪選手で,2008年3月にあった全国大会で銀メダルを受賞しました.

 結果ですが,今年も「特別賞」をいただきました(写真6).速度は遅いのですが,3周完走しました.順位は64台中43位でしたが,手のひらに乗る程度の大きさで珍しいこともあったのでしょう.それと,反射型光センサ三つでライン上をスムーズに走行できたことも良かったのかもしれません.実際,走行終了後に,その車の構造を教えて欲しいとか,センサが三つでスムーズに走行する理由を聞きたいといった質問をいただきました.みんなで集まり,楽しいものづくり! 筆者の理想に近づいたかな?

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[写真6] 今年も特別賞をいただいた

●「ものづくり」志向の若者はたくさんいる

 筆者の勤務する愛知県立岡崎工業高等学校では,生徒にさまざまな経験を積ませるように,いろいろな競技や資格にチャレンジさせています.筆者が担当する情報技術科では,技能五輪種目の「メカトロニクス競技」に出場することを目標に,練習に励んでいます.

 また,お手伝いしてくれた生徒が出場した「高校生ものづくりコンテスト 電子回路組み立て競技」では,3年連続で東海大会まで出場しています.一昨年度は二つの全国大会で優勝し,昨年度は全国大会に出場しました.

 本年度は,高校生では高度な資格である「工事担任者AI・DD総合種」の合格者が6名(3年5名,2年1名),「基本情報技術者」が1名(3年)と頑張ってくれました.

 また,昨年度の機械科は「旋盤技能検定2級」8名(全国初),若年者ものづくり大会の「CAD」2年連続全国大会優勝,「フライス盤」準優勝,電気科では「第一種電気工事士」20名,「電験第3種」2名と頑張りました.それらの競技,資格の練習や補習に自ら望んで飛び込んできてくれる生徒が本校にはたくさんいます.

 世間では,若年者の「ものづくり」への興味や関心が失われるかと危ぐされているようですが,まだまだ工業高校にはこのように頑張っている若者がたくさんいます.その彼らの周りの環境を整えることが,われわれ大人たちの使命ではないでしょうか.


愛知県立岡崎工業高等学校 情報技術科
栗田淳一

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