3次元ズーム観察システムや視線追尾システムを展示 ―― 第25回 エレクトロテスト・ジャパン
2008年1月16日~18日,東京ビッグサイト(東京都江東区)にて,エレクトロニクス実装,半導体,基板製造に関する検査,試験,測定,分析機器の専門技術展「第25回 エレクトロテスト・ジャパン」が開催された(写真1).3次元ズーム観察システムや視線追尾システム,X線ライン・カメラなどが展示された.
[写真1] 会場受付の様子
本展示会は,エレクトロニクス製造・実装技術展である「第37回 インターネプコン・ジャパン」と併催されている.
● 凹凸すべてにピントの合った画像を作成できる観察システム
オリンパスは,3D(3次元)ズーム観察・計測システム「MVX-XD System」を展示した(写真2).凹凸が大きく顕微鏡ではピントの合わないサンプルに対して,焦点を移動させながら画像を取得し,それらを合成することにより,すべての面にピントの合った画像を作成できる(フォーカス合成).さらに,オプションとして提供される3D合成ソフトウェアにより,3D画像を表示できる(電動フォーカス).ズーム比は1:10(0.63倍~6.3倍).
[写真2] オリンパスのMVX-XD System
照明光源として白色LEDを四つ使用している.使用するLEDを切り替えることによりサンプルの陰影を調整でき,理想的な観察像が得られるという.
● ヘッド・ギアとパソコンによる視線追尾システム
ディテクトは,ディジタル視線追尾システム「View Tracker」の展示デモンストレーションを行った(写真3).本システムは,画像処理ボードを搭載したWindowsパソコンと,小型カメラや赤外線LEDを搭載したヘッド・ギアから構成される.簡単な調整を行うだけで視線計測が行えるという.風景画像に視線の画像を重ねた動画の作成や軌跡の作成などが可能.画像や数値はすべて汎用フォーマットでファイル化される.
[写真3] ディテクトのView Tracker
ヘッド・マウント・ディスプレイにハーフ・ミラーを採用し,なるべく視界を邪魔せずに正面から視線計測を行えるようにした.運転者の視線計測や,基板の目視検査などの教育に利用できるという.
● ベルトコンベア内部に設置できるX線ライン・センサ・カメラ
浜松ホトニクスは,X線ライン・センサ・カメラ「C9750」を展示した(写真4).本製品は,ベルトコンベアなどで搬送される被検査物の透過X線画像を高分解能(1/1280または1/2560)で撮影できる.厚さが50mmと薄いため,ベルトコンベア内部に設置できる.検出幅は標準で256mmまたは512mm,最大で7.5m.
[写真4] 浜松ホトニクスのC9750
12ビット・ディジタル信号出力により,市販のフレーム・グラバ・ボードなどを介してパソコン上でデータの処理や解析が可能.食品や電子部品などに混入した異物の検出をはじめ,幅広い分野における非破壊内部観察に適しているという.
● 192個のモノクロCCDでX線画像を取得
アールエフは,ディジタルX線センサ「NXシリーズ」の展示デモンストレーションを行った(写真5).NXシリーズは,最大192個のモノクロCCDを高密度に配列することで高い集光率を得ており,4,836万画素の画像を取得できる.高分解能カメラが取得した情報を4,096階調(12ビット)の画像で表現するため,肉厚差のある被写体でも,1回の撮影で高精細に画像化できるという.
[写真5] アールエフのNXシリーズ
フィルムやCR(Computed Radiography)のような現像プロセスやイメージング・プレートの読み込みなどは不要.X線照射から画像表示までにかかる時間は約5秒.フィルムや処理液などの消耗品も不要となり,撮影に要するランニング・コストが従来の方式に比べて大幅に削減できるという.