LabVIEW関連のデモンストレーションが続々 ―― LabVIEW Days 2007

北村 俊之

tag: 組み込み

レポート 2008年1月10日

 日本ナショナルインスツルメンツは2007年11月22日,「イノベーションに必須の最新テクノロジ」をテーマに,「LabVIEW Days 2007」を東京プリンスホテル パークタワー(東京都港区)にて開催した(写真1).本コンファレンスは,マルチコアやFPGA,PXI Express,HIL(Hardware in the Loop),シミュレーションなど,計測,制御,設計の各分野における最新トピックを一堂に集め,展示会および技術セミナを通して紹介するというものである.

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[写真1] 会場受け付けの様子

 午前中には,いすゞ産業 中央研究所 エンジン研究第一部 部長の西村 輝一氏による「夢と感動の技術開発―統合的モデルベース開発の勧め」,大阪大学大学院工学研究科 電気電子情報工学専攻 准教授の阿部 真之氏による「LabVIEWで原子を見て動かす」,米国National Instruments社 社長兼最高責任者 工学博士のJames Truchard氏による「グラフィカルシステム設計による生産性向上」と題する基調講演が行われた(写真2).基調講演のほかに,「ユーザによる開発事例/イノベーションの発表」,「イノベーション支援のための技術講演」にテーマ分けされた38の技術セッションも開催された.前者ではイノベーションの実現に関する事例発表が主体となっており,後者では基礎的なセミナや体験セミナ,スキルアップ・セミナなどが開催された.

 展示コーナは,「信号の集録と解析」,「自動車アプリケーション」,「コンサルティング」,「技術サポート」など,会場全体を八つのゾーンに分け,40社以上の協賛企業が展示を行った.技術サポート・コーナやコンサルティング・コーナも設けられており,日本ナショナルインスツルメンツの専門家やエンジニアが,来場者の質問などに答えていた.技術者同士の情報交換の場として「"LabVIEWユーザの日"ライブ会場」も設けられ,こちらも活況を呈していた.

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[写真2] James Truchard氏

● LabVIEW関連のデモンストレーションが続々

 日本ナショナルインスツルメンツのコーナでは,LabVIEWを利用したさまざまな展示やデモンストレーションが行われた.LabVIEWのグラフィカル・プログラミング環境を利用することで,市販のハードウェアを使用した設計とプロトタイピングを迅速に行うことができる.また,設計は,NI RIO FPGAやDSP,汎用の32ビット・マイコンなどのターゲットに実装できる.

 計測器制御では,LabVIEW 8に新たに追加されたGPIBプログラムを実行する機能のデモンストレーションが行われた(写真3).本機能の計測器ドライバ・ファインダを使用すると,接続されている計測器が検出され,Webページから適切な計測器ドライバがダウンロードされ,インストールされる.また,計測器I/0アシスタントを利用すると,計測器に送るコマンドをパラメータとして登録できる.書き込むコマンドをプログラム上で動的に変更することで,柔軟性の高いシステムを構築できる.

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[写真3] GPIBプログラムのデモンストレーションの様子

 CarSimモデルによるABS(Anti-lock Brake System)制御RCP(Rapid Control Prototype)システムでは,CarSimの車両運動モデルを使用して,車輪や車体の速度をシミュレーションし,ABSコントローラとブレーキ・アクチュエータのモデルを検証するデモンストレーションが行われた(写真4).LabVIEW Real-Timeを使用し,実際の信号をFPGAを介して入出力することにより,検証精度が向上するという.

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[写真4] CarSimモデルによるABS制御RCPシステム

 D-Aコンバータ評価システムでは,モジュール式計測器とLabVIEWを使用して,D-Aコンバータのひずみ特性を測定するデモンストレーションが行われた(写真5).このシステムでは,ソフトウェアの変更やボードの追加により,INL,DNL(非直線性)やRF測定などのファンクション・テストや,ダイオード・テストなどのDCテストも行える.また,A-DコンバータやD-Aコンバータ,オーディオ,ビデオ,RFなどのICにも適用可能となっている.

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[写真5] D-Aコンバータ評価システム

● 信号発生・測定機器も多数展示

 Mindready Solutions社の展示ブースでは,ラジオ,ビデオ,ナビゲーションなどを含むほとんどの公共放送規格の信号を作り出すことが可能な装置「カーナビ・デジタルラジオテスタ」のデモンストレーションが行われた(写真6).単一のRF信号発生器「NI PXI-5671スペクトラム信号発生器」だけで,複数のディジタルとアナログの放送規格をテストできるという.また,PXIカードを追加することで,音響解析やバス・コントロール,スイッチ・マルチプレクサを同じきょう体内に装備することも可能である.

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[写真6] Mindready Solutions社のカーナビ・デジタルラジオテスタ

 コーンズドッドウェルの展示ブースでは,SeaSolve社が開発したWiMAXリアルタイム評価システム「SeaMax IQ Generator Pro」,および「SeaMax IQ Analyzer Pro」のデモンストレーションを行った(写真7).同社はモバイルWiMAX送受信機の性能評価に利用されるリアルタイム・テスト・システムを提供している.市販のRF信号発生器と組み合わせることで,多機能かつ省スペースの試験環境を構築できる.

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[写真7] コーンズドッドウェルの「SeaMax IQ Generator Pro」と「SeaMax IQ Analyzer Pro」

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