AMBA 3.0に追加された高性能バス用のAXI仕様 ―― チャネル方式を導入し従来のAMBAバスから大きく変更
1)読み出しトランザクション(図9(a))
マスタはアドレス・チャネルの転送開始アドレスとその転送に関する制御情報(バースト長,データ幅,転送タイプなど)を載せて,AVALID信号をアサートします(図9(a)の時刻T0).スレーブはアドレス・チャネル上の情報を受け取れるので,AREADYをアサートして応答します(図9(a)の時刻T1).アドレス・チャネルの情報は,AVAILDとAREADYがアサートされている図9(a)の時刻T2で転送されます.
時刻T5で読み出しデータの準備ができたスレーブは,読み出しチャネルのRDATAに1番目の読み出しデータを載せ,RVALID信号をアサートします.マスタはデータを受け取る準備ができていたのでRREADYがアサートされており,RVALIDとRREADYがともにアサートされている時刻T6でデータが転送されます.
時刻T9で読み出しデータの準備ができたスレーブは,読み出しチャネルのRDATAに2番目の読み出しデータを載せ,RVALID信号をアサートします.マスタはデータを受け取る準備ができていたのでRREADYがアサートされており,RVALIDとRREADYがともにアサートされている時刻T10でデータが転送されます.
同じT10でスレーブは次のデータの準備ができたので,読み出しチャネルのRDATAに3番目の読み出しデータを載せ,RVALID信号をアサートします.マスタはデータを受け取る準備ができていたのでRREADYがアサートされており,RVALIDとRREADYがともにアサートされている時刻T11でデータが転送されます.
時刻T12で読み出しデータの準備ができたスレーブは,読み出しチャネルのRDATAに4番目の読み出しデータを載せ,RVALID信号をアサートします.転送の最後のデータなので,RLASTがアサートされます.マスタはデータを受け取る準備ができていたのでRREADYがアサートされており,RVALIDとRREADYがともにアサートされている時刻T13でデータが転送されます.
〔図9〕バースト転送に関するタイミング図
4ワード・バースト転送トランザクションを例に,AXIの読み出しと書き込みについて説明している.
2)書き込みトランザクション(図9(b))
マスタはアドレス・チャネルの転送開始アドレスとその転送に関する制御情報(バースト長,データ幅,転送タイプなど)を載せてAVALID信号をアサートします(図9(b)の時刻T0).スレーブはアドレス・チャネル上の情報を受け取れるので,AREADYをアサートして応答します(図9(b)の時刻T1).アドレス・チャネルの情報は,AVAILDとAREADYがアサートされている図9(b)の時刻T2で転送されます.
マスタは同じT2で続いて書き込みチャネルのWDATAに1番目の書き込みデータを載せ,WVALID信号をアサートします.スレーブはデータを受け取る準備ができたので,時刻T3でWREADYをアサートします.WVALIDとWREADYがともにアサートされている時刻T4でデータが転送されます.
マスタでは次のデータの準備ができたので,同じT4で書き込みチャネルのWDATAに2番目の書き込みデータを載せ,WVALID信号をアサートします.スレーブはデータを受け取る準備ができたので時刻T5でWREADYをアサートします.WVALIDとWREADYがともにアサートされている時刻T6でデータが転送されます.
マスタは次のデータの準備ができたので,書き込みチャネルのWDATAに3番目の書き込みデータを載せ,WVALID信号をアサートします(図9(b)の時刻T7).スレーブはデータを受け取る準備ができていたのでWREADYがアサートされており,WVALIDとWREADYがともにアサートされている時刻T8でデータが転送されます.
マスタでは,同じT8で次のデータの準備ができたので,書き込みチャネルのWDATAに4番目の書き込みデータを載せ,WVALID信号をアサートします.転送の最後のデータなのでWLASTがアサートされます.WVALIDとWREADYがともにアサートされている時刻T9でデータが転送されます.
同じT9で,スレーブは書き込みデータを受け取ったことを確認して,書き込み応答チャネルに応答ステータスを載せてBVALIDをアサートします.マスタは応答ステータスを受け取る準備ができていたのでBREADYがアサートされており,BVALIDとBREADYがともにアサートされている時刻T10でBRESPが転送されます.