目の色が変わるカエルが最優秀賞を獲得 ―― フリースケール 第2回 電子工作キット製作コンテスト

　フリースケール・セミコンダクタ・ジャパンは，同社の8ビット・マイコンを使って製作した作品を競う「第2回 電子工作キット製作コンテスト」を開催した．全国から作品を募り，1次審査を通過した16作品の中から最優秀賞や各部門賞，審査員特別賞，ツクモロボット王国賞を選考した．

[写真1] 1次選考を通過した参加者

●最優秀賞は目の色が変わるカエル

　小寺 匠氏の製作した，色によって目の色や鳴き声が変化する「カラーフロッグ」という作品が最優秀賞を獲得した（写真2）．8ビット・マイコンのI/Oやスイッチなどをすべて使用したという．色を識別するために，フルカラーLEDとフォトトランジスタを装備し，反射光のRGB比率を見ている．センサは基板の裏についており，床の色を見てLEDの色を変化させる．最大360色を識別できる．

[写真2] カラーフロッグの外観
カエルの形をしている．カラーフロッグは最優秀賞を受賞した．

●ブラック・ジャックが楽しめる携帯ゲーム機

　飯塚 連也氏は，携帯型ゲーム機「くもくんでゲーム機つくろうよ」という作品で上級者向け部門賞を獲得した．ディスプレイに有機EL（organic light emitting diode display）を使用した．本体には，米国Freescale Semiconductor社の8ビット・マイコン開発キット「USBSPYDER08」をそのまま組み込んだ．トランプのブラック・ジャックのデモンストレーションを行った．また，電子オルゴール「NOSTALGIA1980」とつなぐことにより，効果音も付けられるようにした．

[写真6] NOSTALGIA1980（左），くもくんでゲーム機つくろうよ（右）の外観
「くもくんでゲーム機つくろうよ」は，上級者向け部門賞を獲得した．

●光センサがお菓子を守る

　光永 法明氏は，きょう体に手をかざすと装備しているぬいぐるみが動きだす「のぞいたのは，だあれ　R/Cサーボパタパタキット」を紹介した（写真3）．きょう体には光センサ（CdS）が実装されている．光の変化によって抵抗値が変化したとき，ラジコン用のサーボ・モータが駆動して，ぬいぐるみが動く．

[写真3] のぞいたのは，だあれ　R/Cサーボパタパタキットの外観
会場ではきょう体の上にお菓子を置き，お菓子を取ろうとするとぬいぐるみが動く，というデモンストレーションを行った．

●球体の透明なプラスチック・ケースに収めた温度ロガー

　小林 充氏は，温度を測定・記録する「ガチャポン型温度レコーダー」を紹介した．本体を球体の透明はプラスチック・ケースに収納した．温度を測定する時間の間隔を設定できる．記憶した温度データは，フラッシュ・メモリに記録する．動作設定や記録データの読み出しは，USBケーブルでつないだパソコンを使って行う．

[写真4] ガチャポン型温度レコーダーの外観
単4電池を2本使って駆動する．

●気分によって回転速度の変わる万華鏡

　澤田 毅氏は，人間の脈拍に合わせて回転する万華鏡「スターラーカレイドスコープ」を紹介した．本万華鏡は，合わせ鏡のミラー部とビーズなどが入ったチャンバ部から構成される．チャンバ部の回転を電子制御している．赤外線センサで使用する人の脈拍を波形として採取し，チャンバ部の回転と同期させた．

[写真5] スターラーカレイドスコープの外観
チェンバ部の中身（ビーズやLED）は気分に合わせて交換できるという．

●加速度センサを使ったシューティング・ゲーム

　伊藤 剛浩氏は，加速度センサを使用したゲーム機「SLANT GUN（スラント・ガン）」を紹介した．敵の攻撃をよけながら迎撃するシューティング・ゲームである．加速度センサを使用しており，本機器を傾けることによりプレーヤの機体が移動する．32ドット×16ドットのLEDディスプレイを使用する．プログラムは，後から変更・追加できる．また，電光掲示板としても利用できるという．

[写真7] SLANT GUN（スラント・ガン）の外観
表示している一番下の赤い二つの丸がプレーヤの機体．