コネクタ&FPC トラブル・シューティング 11連発(7) ――FPC上のチップ部品が破損する
ここでは,コネクタやフレキシブル・プリント基板(FPC)などにかかわる11項目のトラブル対策事例を紹介する.今回その第7回目である. (編集部)
症状
あるとき,組み立て工程から「FPC上のチップ部品が破損している」という報告を受けました.それはコネクタの周辺に実装されているもので,同じような箇所が破損しているものが数枚ありました.
組み立て工程において「不用意に取り扱ったのではないか」と想像していたのですが,調査してみると,設計上の問題に起因していたことがわかりました.
● 原因究明の過程
今回問題が発生したのは,新製品開発の試作段階です.試作ではさまざまな問題が発生しますが,今回はある特定の場所でチップ部品が取れかかっているというものでした.そこは,FPC用のコネクタの周辺で,コネクタ開閉の作業はピンセットで行っていました.ピンセットで作業を行っている際に破損させた可能性はすぐに推測できたものの,「通常の組み込み作業では発生しないはず」という思い込みがあったため,その過程がよく理解できませんでした(図7-1(a)).しかし,状況を確認していくと,結局は基板のレイアウト設計時の検討不足がその一因になっていたことがわかりました.