腕時計型コンピュータに注目集まる.世界最小の表面実装型低周波振動子も展示 ――シチズン時計のプライベート・ショウ「CITIZEN FORUM 21」
2001年11月6日~7日,東京国際フォーラムでシチズン時計のプライベート・ショウである「CITIZEN FORUM 21」が開催された.時計,情報機器,部品,産業機械の四つの分野の展示が行われた.同社がPDAや携帯電話を補完する機器の一つと位置づけている腕時計型コンピュータ「WatchPad1.5」に人だかりができていた.
●Linux搭載の腕時計型コンピュータを展示
今回のショウでは,日本アイ・ビー・エムとシチズン時計が共同開発した腕時計型コンピュータ「WatchPad1.5」が展示された.今回の展示機種は,同社が今年(2001年)10月中旬に発表したものとはデザインが異なる(写真1).本体サイズは65mm×46mm,重さは43g.320×240ドットの反射型モノクロ液晶を搭載している.
今回の展示機種は,Linux OSのLinuxカーネル・バージョン2.4を搭載している.また,Bluetooth無線の機能を備えている.これにより,WatchPadからノート・パソコンにあるメールやスケジュールを見ることができる.セキュリティのための指紋センサも内蔵している.駆動電圧は2.5V~3.0V,待機電力(時計表示モード)は1.0mW以下.およそ1日半連続動作するという.このほか,加速度センサも内蔵している.製品化の時期は未定.価格はPDAの上位機種なみになるという.
●世界最小面積の32kHzの水晶振動子
今回のショウでは参考展示として,世界最小の表面実装型低周波振動子が公開された.外形寸法1.0mm×3.5mm×0.35mm.周波数は32.768kHz,方式はおんさ型である.パッケージにガラスではなく水晶を用いている.そのため,振動子とパッケージの物性が同じになり,精度が上がったという.等価直列抵抗は100kΩ.製品化の時期は未定である.
●レシーバとスピーカ,スピーカとバイブレータを一体にした部品
さらにシチズン時計は,レシーバとスピーカを一体にした「CSR-18A-01(写真2)」と,スピーカとバイブレータを一体にした「CMR-18MA-02(写真3)」を展示した.
CSR-18A-01は,振動版を2枚構成にして,レシーバとスピーカを一体化させている.外形寸法は18mm×13mm×4.8mm,重さは1.5gである.また,CDMA/GSM携帯電話向けの「CSR-18B-01」の開発も行っている.一方,CMR-18MA-02は,スピーカと振動機能を同時に駆動できる.外形寸法は18mm×18mm×4mm,重さは3.7gである.
両製品とも来年(2002年)春頃発売の予定である.