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技術教育やM2M機器の試作・開発に利用できる3G通信用拡張ボードの普及推進を目指すNPO法人が活動開始
ニュース 2013年3月15日
3G通信用拡張ボード「3Gシールド」の普及推進団体である3Gシールドアライアンスは,特定非営利活動法人(NPO法人)としての認証を取得し,2013年3月15日よりNPO法人として活動を開始した,と発表した.3Gシールドとは,携帯電話やスマートフォンなどに使われている3G回線を利用する無線通信モジュールである.オープン・ソース・ハードウェアのArduinoと組み合わせて利用できる.
Arduinoは8ビット・マイコン(米国Atmel社のAVRマイコン)を搭載したCPUボードで,2005年に登場した.ハードウェアの設計情報がオープン・ソースとして公開されており,欧米の教育現場などを中心に普及している.電気・電子系の専門知識を持たないデザイナやクリエータ,機械系や情報系の学生などでも利用できる簡便なソフトウェア開発環境,およびライブラリが用意されている.
例えば東京大学大学院 情報理工学系研究科 教授の江崎 浩氏や同大学 大規模集積システム設計教育研究センター 助教の落合 秀也氏らは,3Gシールドを利用してIEEE 1888(スマート・グリッドやBEMSなどに対応した通信プロトコル)に準拠するセンサ・ネットワーク・モジュールを開発し,電力センサを含む各種計測データを商用クラウドへ転送するシステムを構築している.またシステム開発会社のハローシステムは独居高齢者などの見守りシステムの開発に3GシールドとArduinoを採用し,試作機の製作を進めているという.
3Gシールドアライアンスでは,3Gシールドを普及させるための開発支援や技術情報の提供を行っている.また,今後の市場拡大が期待されているM2M(Machine-to-Machine)ビジネスを見据えた開発環境の提供や技術支援も行っていく方針.
現在,販売されている3Gシールドには米国AnyDATA社の3G通信モジュール「DTW400-W」が搭載されており,JATE/TELECの技術基準適合認定は取得済み.2013年夏ごろにはUSBドングル版の3Gシールドも出荷される予定.
3Gシールドアライアンスには,インターネットイニシアティブ,金沢工業大学,構造計画研究所,スイッチサイエンス,拓殖大学,タブレイン,ディー・クルー・テクノロジーズ,ドリーム・トレイン・インターネット,High Technology Explore,ハローシステム,ムトーエンジニアリングなどが参加している.
[写真1] NPO法人 3Gシールドアライアンスのロゴ・マーク
[写真2] Arduino向け拡張ボード「3Gシールド」
[写真3] 3GシールドのUSBドングル版
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