EVE，9個のVirtex-6 FPGAを搭載する3200万ASICゲートの論理エミュレータを発売

　米国EVE-USA社は，最大3200万ASICゲートの論理回路を実装できる論理エミュレータ「ZeBu-Blade2」を発売した．搭載するFPGAは，米国Xilinx社のVirtex-6ファミリの中では最大規模となる「XC6VLX760」．このFPGAを9個搭載する機種（3200万ASICゲート）と5個搭載する機種（1800万ASICゲート）を用意する．

　動作周波数は最大40MHz．HDLシミュレータ上で動作するトランザクション・レベル・モデル（C/C++，SystemC，SystemVerilog）とインターフェースをとる機能や，テストベンチを論理エミュレータ上に展開する機能，英国ARM社や米国Tensilica社，米国Texas Instruments社のICE（In-circuit Emulator）と接続する機能などを備える．

　トレース・メモリ（DDR2）の容量は4Gバイト．デバッグ機能として，再コンパイルなしに順序回路や組み合わせ回路の論理信号にアクセスする機能やレジスタへのフォース/リリース機能，トレース/ストップ・オン・トリガ機能を備える．

　ホスト・パソコンとのインターフェースはPCI Express（4レーン）．OSとしてRed Hat Enterprise Linux 5.0（64ビット版）とSUSE Linux Enterprise Server 10に対応する．外形寸法は50.2cm×57.0cm×10.0cm，重量は20kg以下．消費電力は200W以下．価格は，同社が2006年に発売した「ZeBu-UF」と同程度．

　昨今，ASICの設計件数は減少しているが，同社の論理エミュレータの出荷数は必ずしも減少していないという．ASIC開発プロジェクトにおいて，コスト管理が厳しくなっており，不具合の残留によるマスクの作り直しが許されない状況となっている．これに伴って，検証環境に投資するユーザが増えているという．さらに，ソフトウェア開発工程を前倒しにするために論理エミュレータが利用されており，ソフトウェア技術者のユーザ数が増えているという．同社では，ソフトウェア開発者向けの機能限定版の機種（コンパイラ機能などを省略．価格はフル機能の半額程度）も用意している．

[写真1] ZeBu-Blade2の外観