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富士通マイクロエレクトロニクス,伝送速度が800Mbpsの1394-Automotive準拠ネットワーク・コントローラLSIを発売
ニュース 2009年4月23日
富士通マイクロエレクトロニクスは,1394-Automotive規格に準拠した車載ネットワーク向けのコントローラLSI「MB88395」を発売した.伝送速度は800Mbps.車載エンターテインメント機器やカー・ナビゲーション機器などの間の通信に利用できる.同社は2007年11月に,1394-Automotive(IDB-1394)準拠のネットワーク・コントローラLSI「MB88388A」を発表している.今回,伝送速度を400Mbpsから800Mbpsに引き上げ,さらに映像圧縮・伸長方式を改良して720p(1280ピクセル×720ピクセル)のHD映像モードに対応できるようにした.
同社の1394-Automotive準拠ネットワーク・コントローラLSIの映像圧縮・伸長には,富士通研究所が開発した「SmartCODEC」と呼ばれる技術を利用する.本技術はBT.601 Transport Over IEEE 1394に採用されている.本ネットワーク・コントローラLSIは,ディジタル・コンテンツ伝送時の著作権保護機能に利用される暗号プロトコル「DTCP(Digital Transmission Content Protection)」に対応する.
動作電圧は,I/O部が3.0V~3.6V,内部が1.1V~1.3V.動作温度範囲は-40℃~+95℃.パッケージの外形寸法は16mm×16mm.2009年4月よりサンプル出荷を開始する.今後,マイクロコントローラを混載した品種や,SmartCODEC機能を2チャネル搭載した品種も製品化する計画.
ワイヤ・ハーネスの削減がコスト・ダウンにつながることから,近年,自動車内部のネットワーク化が進んでいる.2011年にアナログ・テレビ放送が,2013年にはBlu-rayビデオのアナログ出力方式の対応が終了するが,このタイミングに合わせて,新しいディジタル・インターフェースを備えた車載エンターテインメント機器やカー・ナビゲーション機器が普及すると予測されている.
1394-Automotive規格は,IEEE 1394の普及推進団体である1394 Trade Associationによって策定されたマルチメディア・アプリケーション向けの車載ネットワーク・プロトコル規格である.1394-Automotiveは,情報系の車載ネットワークをつなぐ標準プロトコル規格として策定され,ゲートウェイを介して制御系システム(LIN,CAN,FlexRayなど)と連携する.これにより,例えばネットワーク経由で後部座席のディスプレイを制御できるようになる.また,車外のITS(Intelligent Transport Systems)関連機器や車車間/路車間通信との機能連携にも利用できる.
[図1] 1394-Automotive準拠車載ネットワーク・コントローラLSIのロードマップ
[図2] HD映像伝送時のMB88395使用イメージ(2リア・ディスプレイ)
[写真1] MB88395の外観
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