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ETロボコンが走行体と開発環境を一新,地区大会は全国7カ所で開催

 ETロボコン実行委員会は,2009年に開催する「ETソフトウェアデザインロボットコンテスト(ETロボコン)」の概要を発表した.これまでは走行体として「教育用LEGO MINDSTORMS RCX」のキットを使って組み立てたライン・トレース・ロボットを採用していたが,2009年からは「教育用LEGO MINDSTORMS NXT」のキットを利用した二輪倒立振子ライン・トレース・ロボットを採用する(ただし,2009年は移行期間として,従来の走行体によるレースも合わせて行う).また,2008年は地区大会を全国5カ所で開催したが,2009年はさらに「北関東(群馬県と新潟県で交互に開催)」,「南関東(神奈川県横浜市で開催)」を追加し,全国7カ所における開催となった.

 LEGO MINDSTORMS NXTの開発環境/実行環境については,TOPPERS/ATK(旧名:TOPPERS/OSEK)やTOPPERS/JSPをベースとしたC/C++言語向けの開発環境「nxtOSEK/JSP」や,Java言語向けの開発環境「leJOS NXJ」などが無償で提供されている.また,二輪倒立振子の制御プログラムはライブラリとしてETロボコン実行委員会が提供する(現在のところ,C/C++言語向けには提供の準備ができている.Javaについては提供を検討中).このほかETロボコン実行委員会は,モデリング・ツールや統合開発環境などをロボコン参加者向けに提供してもらえるようにツール・ベンダなどと交渉しているという.

 発表会では,NXTによる二輪倒立振子ライン・トレース・ロボットのデモンストレーション走行が行われた.ロボットは安定した姿勢を保ちながら,ゆっくりとコースを周回した.前進するモータの速度を変えると倒立振子のバランスが崩れるため,パラメータを調整する必要がある.複数のパラメータが存在するので,手探りの試行錯誤によって最適解にたどりつくのは難しそうだった.

 ETロボコンは,組み込みソフトウェア分野における技術教育を目的としたロボット・コンテストである.LEGO MINDSTORMSで組み立てた同一規格の走行体に,各チームが開発したソフトウェアを搭載し,走行性能を競う.また,走行競技だけでなく,ソフトウェアのモデル図も評価の対象となる.通算7回目となった2008年は5カ所で地区大会が開催され,参加チーム数は291,参加者数は1,500人に上った.大会の運営や技術講習などは,主にボランティア・スタッフによってまかなわれている.元参加者や参加チームの企業/教育機関,スポンサ企業などが運営にかかわることが多く,ETロボコンは組み込み技術者のコミュニティとしての役割も果たしている.

 ETロボコン実行委員会は,ETロボコンの趣旨に賛同してくれる企業や自治体の支援を募集中だという.


[図1] LEGO MINDSTORMS NXT用の開発/実行環境


[図2] 参加者数の推移


[図3] 2009年の地区大会開催地


[写真1] LEGO MINDSTORMS NXTによる二輪倒立振子ライン・トレース・ロボットのデモンストレーション走行

■連絡先
ETロボコン実行委員会(株式会社アフレル内)
TEL: 050-3385-7831
E-mail: er-info@etrobo.jp
URL: http://www.etrobo.jp/

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