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ルネサス,1024個の演算器と制御用のSH-2Aコアを搭載した画像処理プロセッサを発売
ニュース 2008年6月25日
ルネサステクノロジは,1024個の演算器(PE:Processing Elements)と制御用のSH-2Aコアを搭載した画像処理プロセッサ「MX-G(R8A030022BG)」を発売する.各演算器にはデータ・レジスタ用SRAMが接続されており,この演算器とSRAMの対がマトリックス構造に密結合されている.いわゆるSIMD(Single Instruction Multiple Data)構造をとる.こうした大規模並列処理ブロックを同社ではMXコアと呼んでいる.
MXコアの動作周波数は最大168MHz,処理性能は17GOPS(Giga Operations Per Second).例えばXGA(1024ピクセル×768ピクセル)の画像に対して,3ピクセル×3ピクセルのメディアン・フィルタ処理を施した場合,既存のCPUの約1/100の時間で処理できるという.MXコアの168MHz動作時の消費電力は標準170mW.
本プロセッサは外部メモリ・インターフェースを備えており,128MバイトのDDR2 SDRAMを接続できる.さらに,DDR2 SDRAMとの間でDMA転送を行うための専用の64ビット内部バスを備える.これにより,MXコアへのデータのバースト転送が可能となっている.内部の電源電圧は1.2V,I/O部は3.3V.パッケージは561ピンBGA(Ball Grid Array).
MXコア用ソフトウェアの開発・解析・評価環境として,「SuperH RISC engine family用MX開発ツールキット」を提供する.本キットは,MXコード生成ツール,MXシミュレータ,MXデバッガから成り,同社の統合開発環境であるHigh-Performance Embedded Workshopにプラグインして使用する.MXコード生成ツールは,C言語で作成したソース・プログラムをMXコアで実行可能なオブジェクト・プログラムに変換する.MXシミュレータはプログラムのシミュレーション実行を行い,解析・評価に利用する.MXデバッガでは,実チップの最大動作周波数でプログラム実行状態のリアルタイム・デバッグを行える.
MX-Gを搭載した評価ボードとサンプル・プログラムなどのソフトウェアから成るキット「MX-G Starter Kit」やC/C++コンパイラ,エミュレータも用意する.このほか,沖電気工業からは顔検出や個人識別を行える顔画像処理ミドルウェア「FSE(Fase Sensing Engine)」が,オムロンソフトウェアからは文字抽出ソフトウェア「MobileOmCR」などの画像処理ソフトウェアが提供される予定.
2008年8月にサンプル出荷を開始する.
[写真1] MX-G(R8A030022BG)の外観
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