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Agilent,波形の補正や表示更新の速度を改善したリアルタイム・オシロスコープを発売
ニュース 2008年2月21日
米国Agilent Technologies社は,波形の補正や表示更新の速度を改善したリアルタイム・オシロスコープ「Infiniium DSA/DSO 90000Aシリーズ」を発売した.同社のラインナップにおいて最上位機種と位置づける.特徴は大きく三つ.
一つ目の特徴は,ロング・メモリの応答速度を改善するために,FPGAによる演算処理エンジン「Infinium Data Accelerator」を搭載したこと.この90000Aシリーズから新たに搭載した演算処理エンジンは,A-Dコンバータ前段のアナログ回路に対して振幅や位相,トリガ・ジッタの補正を高速に施すことが可能.従来機種や下位機種,および他社のリアルタイム・オシロスコープは,この処理をCPUで行っているという.ロング・メモリに取り込んだデータをCPUで解析すると,補正や表示更新が遅くなる.
二つ目は,アナログ波形専用のトリガ・チップを開発し,これをアナログ回路の直近に配置した.これにより,最小250psの単発パルスを捕捉できる.例えば,PCI Express Gen.2の1UIを確実に認識できるという.なお,90000Aシリーズでは,エッジ,ロジック,アナログと,3種類のトリガ専用チップ搭載する.
三つ目は,アッテネータとプリフィルタ,プリアンプなどで構成されるアナログ回路を,外来ノイズから保護する機能を備えるアナログ専用基板を開発した.さらに,プリアンプ部にはプリフィルタとして「Brickwall Filter」を配置し,100mV/divにおけるノイズ・フロアを2.48mVrmsに抑えている(DSA/DSO 91204A).なお,このアナログ専用基板は同社のInfiniium DSO 80000Bシリーズにも搭載されている.
90000Aシリーズのラインアップは6機種.アナログ帯域はそれぞれ2.5GHz,4GHz,6GHz,8GHz,12GHz,13GHz(DSP搭載機),チャネル数はいずれも4.サンプル速度は上位3機種が40Gサンプル/s,下位3機種が20Gサンプル/s.搭載メモリによる記録は標準10Mサンプルまでだが,オプションにより最大1Gサンプルまで拡張できる.
[写真1] リアルタイム・オシロスコープ「DSA 91304A」の外観
[写真2] アナログ専用基板の外観(真ん中のICがプリアンプ,その左のICがアッテネータ.さらに,その左がプローブからの信号入力部.プリアンプの右側の差動伝送ラインはA-Dコンバータに接続される)
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