ルネサスの2003年度の売上高は9,856億円，自動車，携帯機器，パソコン/AV機器に注力

　ルネサス テクノロジは，2003年度の事業実績と2004年度の事業方針を発表した．2003年度のルネサス テクノロジの売上高は9,856億円，営業利益は448億円．2004年度は設備投資に900億円を投じ，売上高1兆900億円，営業利益600億円を目標とする．同社は，日立製作所と三菱電機の半導体部門を統合し，2003年4月に発足した半導体専業メーカである．

　同社は，2003年度の半導体の総売上額の7割を占めた自動車，携帯機器，パソコン/AV機器の三つの分野に焦点を絞って，製品を開発していく．売り上げ比率を見ると，携帯機器向けが3割，パソコン/AV機器向けが3割弱，自動車向けが1割強．自動車向け半導体については，今後15％まで比率を引き上げたいという．

　マイクロコントローラについては，売り上げの中でパソコン/AV機器向けが約40％ともっとも高く，続いて携帯機器向けの約20％，自動車向けの十数％となる．米国の調査会社であるiSuppli社によると，2003年の半導体の売り上げでは，ルネサスが世界シェア3位，同年のマイクロコントローラ（MCU）の売り上げでは1位だった．マイクロコントローラの製品別では，4ビット/8ビット・マイコンが全世界の総売上の15％を，16ビットが同39％を，32ビットが同14％を占めていた．同社は，設立当初からマイクロコントローラを事業の中核と位置付けていた．今後もこの方針は変えないという．

　メモリについては，AND型フラッシュ・メモリに注力していくもよう．とくに，同社と日立製作所が共同開発したメモリ・セル「AG-AND」を採用する4GビットAND型フラッシュ・メモリを，2004年中に市場に投入する．本フラッシュ・メモリは多値論理技術を採用しており，90nmプロセスで製造する．書き込み速度は10Mバイト/sと高速である．

[写真1] 記者発表を行うルネサス テクノロジの会長兼CEOの長澤紘一氏