[ keyword: CPU ]

Intel,XScaleの電力管理機能を強化し,動作周波数の動的切り替えを可能に

 米国Intel社は,電力管理機能を強化した新しいXScaleプロセッサ「PXA27xシリーズ」を発売した.本プロセッサは,2003年9月に開発コード・ネーム「Bulverde」として発表されたものである.動作周波数は最大624MHz.13MHz動作(ディープ・スリープ)時の動作電圧は0.85V,312MHz動作時は1.1V,624MHz動作時は1.55Vである(いずれも標準値).

 従来のXScaleプロセッサも負荷に応じて周波数と供給電圧を切り替える機能を備えていた.しかし,周波数を変更するとき,いったんチップをスリープ状態に遷移させる必要があった.PXA27xは,同社が開発したSpeedStep技術により,スリープ状態に遷移させることなく,1クロックで周波数モード(run,half turbo,turboの3種類)を切り替えることができる.さらに細かく周波数を調整することも可能だが,この場合は,1クロック以上の時間が必要になる.本機能は,チップ内の制御回路(Power Manager)と負荷状況を測定するソフトウェアによって実現している.

 このほか,本プロセッサは最大データ転送速度が416Mbpsのインターフェース回路「Mobile Scalable Link」を内蔵している.これは,ベースバンドLSI(または通信用プロセッサ)と本プロセッサを接続するための回路である.I/O電圧は1.8V.必要に応じてデータパスのビット幅(1,2,4ビット)を変更できるといった特徴がある.ただし,こうした機能を有効に使うためには,ベースバンドLSIが本インターフェースに対応している必要がある.また,命令セットは,64ビットSIMDアーキテクチャに基づいた「Wireless MMX」に準拠している.

 上記の機能などによって低消費電力化した結果,例えば,従来のXScaleプロセッサ(PXA262)を搭載した携帯電話と本プロセッサを搭載したものを比べると,MP3の再生時間が42%,QVGAによる撮影時間が63%,QVGAの動画再生時間が77%長くなるという.

 本プロセッサでは,論理LSIとメモリLSIを別々のパッケージに封止し,それらを上下に積み上げる,同社独自のスタック型パッケージを採用した.今回は,メモリLSIの容量の異なる「PXA270/271/272/273」の4品種を用意する.PXA270は論理LSIのみ(メモリLSIはスタックしない).PXA271には32Mバイトのフラッシュ・メモリ(同社のStrataFlash)と32MバイトSDRAMが,PXA272には64Mバイトのフラッシュ・メモリが,PXA273には32Mバイトのフラッシュ・メモリが,論理LSI上にスタックされている.

 PXA270(312MHz版)のサンプル出荷はすでに始まっている.量産出荷は,2004年第2四半期から開始する予定.

 これとは別に,同社はグラフィックス・アクセラレータLSI「2700G」を発売した.MPEG-4やWMV(Windows Media Video)のデコード性能は30フレーム/s(VGA),MPEG-2のデコード性能は30フレーム/s(720×480ピクセル).現在,サンプル出荷中.量産出荷の開始時期は2004年第2四半期から.


[写真1] PXA27xのパッケージ

■価格
32ドル(PXA270,1万個購入時の単価)
17ドル(2700G,1万個購入時の単価)

■連絡先
インテル株式会社
TEL: 03-5223-9466
URL: http://www.intel.com/jp/

組み込みキャッチアップ

お知らせ 一覧を見る

電子書籍の最新刊! FPGAマガジン No.12『ARMコアFPGA×Linux初体験』好評発売中

FPGAマガジン No.11『性能UP! アルゴリズム×手仕上げHDL』好評発売中! PDF版もあります

PICK UP用語

EV(電気自動車)

関連記事

EnOcean

関連記事

Android

関連記事

ニュース 一覧を見る
Tech Villageブログ

渡辺のぼるのロボコン・プロモータ日記

2年ぶりのブログ更新w

2016年10月 9日

Hamana Project

Hamana-8最終打ち上げ報告(その2)

2012年6月26日