ムービングアイ，ハード・リアルタイム処理機能を付加したLinuxを無償でダウンロード提供

　ムービングアイは，ハード・リアルタイム処理機能を付加したLinux OS「ART-Linux」を無償でダウンロードできるサービスを開始した．同社のWebサイトから，Vine Linux 2.6用のバイナリ・パッケージをダウンロードできる．ダウンロードしたパッケージはVine Linuxの入ったパソコンに，カーネルのアップデートと同様の方法でインストールできる（カーネル・コンパイルは不要）．

　ART-Linuxは，Linux OSにハード・リアルタイム処理機能を付加したOSのカーネル（一般的に，リアルタイムLinuxと呼ばれる）．オープン・ソースであり，GPL（General Public License）に基づいて利用できる．これまで，同社はART-Linuxをマイコン・ボードと組み合わせて販売していたが，ART-Linux単体で販売してほしいという要望があった．こうした要求に応えて，今回，x86版のLinuxカーネル2.4に対応したART-Linuxのダウンロード・サービスを開始した．

　なお，ART-Linuxについては当初，通商産業省電子技術総合研究所（現在は独立行政法人産業技術総合研究所）にてLinuxカーネル2.0対応版と2.2対応版の開発および公開を行っていた．2001年4月に開発者がムービングアイに移籍し，その後は同社が開発を継続している．