RFワールド 実感レポート2016
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2016年5月30日
一覧表形式で複雑な設定も簡単に
Xシリーズは同時に6本のトレースを処理することができ,それぞれのトレースのタイプやディテクタなどを独立に設定することができます.これらを従来のソフトキー/ハードキーで全て設定しようとすると,数十回のキー操作が必要でしたが,Bモデルでは図7に示すような一覧表上で必要なパラメータに瞬時にアクセス,ドロップダウンやラジオ・ボタンを使い短時間で変更が可能です.しかも設定全体を一覧することができます.Bモデルでは,他にも種々の一覧表形式の設定が用意されており,複雑
な設定をする際の効率を飛躍的に向上できます.
図7 一覧表による設定.トレースとディテクタの場合
待望のUNDO機能が追加され,意外に使える
複雑な設定で迷ったときや思うような結果が得られないとき,従来はプリセットを用いて設定を最初からやり直すしかありませんでした.しかしBモデルでは,現在の設定や測定結果を一旦保存したうえで,新しいスクリーンで設定を変更したり,もういちど最初から始めることもできます.設定一覧表(図7)から確認や修正が容易にできます.
UNDO機能は1ステップだけ戻ることができます.スペアナの設定過程でUNDO機能を自然に使えるかどうかについては,興味がありましたが実際に使うと思った以上に快適です.マウスでホバリングするとUNDOの対象機能が表示されるので作業が進みます.例えば6 dB未満のアッテネータ設定など,ノブでは操作ができない設定を繰り返し行う時には大変便利になりました.
89601B ベクトル変調解析ソフトウェア(VSA) の操作性も十分確保できるディスプレイ
Xシリーズの大きな特徴の一つは,高性能スペアナ,RTSA,89601B VSAが同じ筐体で動作することにあります.しかし,実際に89601B VSAをAモデルの8.4インチXGAで操作・表示すると画面の狭さを感じることも多く,外部パソコンや外付けディスプレイを使うこともしばしばです.Bモデルの10.6インチWXGA(10:6)を使えば,このようなストレスもなくなり,画面サイズ以上の改善を感じます(図8).
図8 PXA Bモデルの画面.大画面により,89601B VSAの表示が劇的に改善.これで外部PCやLCDなしで十分使えるようになった(図はBLEを測定)
まとめ
XシリーズBモデルは,大画面のマルチ・タッチ・スクリーンをフルに活用してスマホ並みの操作性を実現しているだけでなく,スペアナを長年使っているヘビーユーザや,測定や表示をカスタマイズしたいユーザにも配慮したバランスがとれた設計を感じました.少ない誌面の中で印象を語らせていただきましたが,まずは実際に操作し体感していただくことをお勧めします.
下記に新製品(XシリーズBモデル)の情報がまとまっています.
http://www.keysight.co.jp/find/x-series-4
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