Androidタブレット・ベースの業務用端末が続々,スマホと連携する認識機器も ―― 第14回 自動認識総合展
●業務用携帯端末にUHF帯RFIDリーダ/ライタを搭載
マーストーケンソリューションは,UHF帯RFIDリーダ/ライタを搭載した業務用携帯端末(ハンディ・ターミナル)「IU-9061」を展示した(写真7).ISO/IEC18000-6 Type C(EPCglobal Class1 Gen2)規格に準拠する.
写真7 マーストーケンソリューションの「IU-9061」
3.5インチ型のタッチ・パネル付き液晶ディスプレイを備えている.連続稼働時間は12.5時間.本体に拡張バッテリを装着すると連続で18時間稼働する.さらに,長時間の作業でも疲れないようにガングリップが付属する.
UHF帯RFIDタグに加えて,1次元バーコードや2次元シンボルも読み取れる.OSにはWindows CE 5.0を採用した.電波強度は10mW~1Wの間で調整可能.防塵・防滴性能はIP64準拠.2012年10月に出荷を開始する.
●ラベル・プリンタに有機ELディスプレイを搭載
サトーは,有機ELディスプレイを搭載したラベル・プリンタ「CF408T」を展示した(写真8).暗い場所でも文字を認識しやすい.また,操作説明などのスクロール文字表示に対応する.ラベル印字の用途に応じて,カッタ仕様,はく離仕様の2機種を用意する.ロール紙を利用したい場合は,オプションの外部供給装置「UWC400」を装着する.
写真8 サトーの「CF408T」
本ラベル・プリンタは電源を内蔵しており,従来の小型4インチ・プリンタと比較すると約3割のスペース削減を実現できる.例えば,オフィスなどの狭いスペースでの利用やキオスク端末などの組み込み用途に向いているという.印字方式は感熱方式,ヘッド解像度は8ドット/mm(203dpi),印字速度は最大150mm/s,印字エリアは400mm×104mm.2012年11月に出荷を開始する予定.
●タグ・プリンタにUHF帯RFID機能を搭載
テンタックは,UHF帯リーダ/ライタ・モジュールを内蔵した単枚タグ・プリンタ「PV-800」を展示した(写真9).RFID付き単枚タグへの印字,EPCデータ(ICチップ)の書き込み,バーコード・データとEPCデータの検証,RFIDマスタ・データの作成を行える.
写真9 テンタックの「PV-800」
40mm×90mm~100mm×200mmのタグに印刷できる.印字方式は熱転写型ドット・マトリクス方式,印字速度は60mm/s~200mm/s(12ドット/mm),印字エリアは104mm×230mm.入出力インターフェースは,パラレル(セントロニクス),シリアル(RS-232-C,最大38.4kbps),USB 2.0,Ethernetに対応する.
現在は長方形のタグにしか取り扱えないが,将来的にはさまざまな形のタグに対応する予定.同社では当面,本タグ・プリンタを外販する予定はなく,受注したタグの印刷用として,社内での利用を想定しているという.
●フルカラー・ラベルのオンデマンド印刷が可能に
キヤノンファインテック / キヤノンマーケティングジャパンは,カラー・ラベル・プリンタ「LX-D5500」を展示した(写真10).本プリンタは,染料インク4色(Bk/C/M/Y)のインクジェット・プリンタである.ライン印刷方式を採用しており,約4.2インチまでのラベルを最速200mm/sで出力する.解像度は1200dpi.情報密度の高いバーコードや少スペースのバーコードも印刷可能.
写真10 キヤノンファインテック / キヤノンマーケティングジャパンの「LX-D5500」
25.4mm×6mm~120mm×400mmのラベル用紙に印刷できる.必要に応じて1枚からラベル印刷が可能で,小ロット多品種のラベル発行に適している.入出力インターフェースとして,ギガビットEthernet(1000Base-T),USB 2.0,RS-232-Cに対応する.
オプションで専用のラベル作成ソフトウェア「LabelCreate」も用意する.対応OSはWindows XP/Vista/7.
きたむら・としゆき