ミラーレス一眼が人気,Wi-Fi対応やプロジェクタ内蔵のコンパクト・デジカメにも注目 ―― CP+(Camera & Photo Imaging Show) 2012

北村 俊之

tag: 組み込み

レポート 2012年2月17日

●24mm~85mm相当のワイド・ズーム・レンズを搭載

 リコーは,ユニット交換式カメラ・システム「GXR」用のカメラ・ユニット「RICOH LENS A16 24-85mm F3.5-5.5」を展示した(写真5).本カメラ・ユニットは,35mmフィルム換算で24mm~85mm相当のワイド・ズーム・レンズを搭載する.レンズ構成は9群11枚.両面非球面レンズ3枚と高屈折率レンズにより,ズーム全域で各種の収差を低減し,画面全体で高い解像力と描写力を実現しているという.また,9枚の円形絞り羽根により,細かな絞りを設定できる.光学ズームは3.5倍.同社のレンズ・ユニットとしては初めて,APS-Cサイズ(23.6mm×15.7mm)のCMOSセンサを搭載している.有効画素数は約1620万.

写真5 リコーの「RICOH LENS A16 24-85mm F3.5-5.5」

 

 画像処理エンジンの「Smooth Imaging Engine IV」と組み合わせることにより,滑らかな階調と高精細で低ノイズな画像の撮影を実現したという.白飛びや黒つぶれを軽減する「ダイナミックレンジ補正」に対応する.露出補正では対応しきれない逆光や明暗差の大きいシーンでも,領域別の補正を行うことで,被写体を見た目に近い明るさで撮影可能.

 このほか,ISO感度の異なる3枚の画像を記録できるISOブラケット機能や,フォーカス,露出,ホワイト・バランスなどの設定を維持したまま連続撮影が行える撮影条件維持機能,RAWのみを記録する機能,白とび警告表示のON/OFF機能,アオリ方向の傾きを検出できる電子水準器,著作権情報のExifへの書き込み機能などを備えている.

 画質と色を設定する画像設定カスタマイズは9段階.撮影設定を「マイセッティング」として本体の「マイセッティングBOX」に6パターンを,SDカードに6パターンを保存できる.マニュアル露出モードでは,「B(バルブ)」(レリーズ・ボタンを押している間に露光する)と「T(タイム)」(露出開始時と終了時にレリーズ・ボタンを押す)の2パターンを設定できる.

 オプションとして,専用レンズ・フード「LH-2」,レンズ部の繰り出しと連動して開閉するレンズ・キャップ「LC-3」,「GXR」にカメラ・ユニットや液晶ビュー・ファインダを付けたまま装着できるラッピング・シート「WS-1」などを用意している.

 

●撮影した写真をその場でデジカメからスマートフォンへ転送

 ソニーは,Wi-Fi機能により撮影した写真をその場でスマートフォンに転送できるコンパクト・ディジタル・カメラの新機種「サイバーショット DSC-TX300V」を展示した(写真6).新開発の裏面照射型CMOSイメージ・センサ「Exmor R」を搭載する.サイズは1/2.3インチ型,有効画素数は1820万.このセンサと画像処理エンジン「BIONZ」を組み合わせることにより,高画質化および暗所でのAF高速化を実現している.外形寸法は95.5mm×58.3mm×16mm,重量は約134g.

写真6 ソニーの「DSC-TX300V」

 

 レンズは35mm換算で28mm~140mm相当の「カールツァイス バリオ・テッサー」を搭載する.屈曲式光学系を採用しており,レンズが前方へ飛び出すことはない.ズームは,26mmから光学5倍,最高感度はISO 12800相当.背面モニタとして3.3インチ型,約123万ピクセルの有機ELパネルを搭載する.タッチ操作にも対応している.

 Android/iOSアプリケーション「PlayMemories Mobile」を利用して,撮影した写真をスマートフォンやタブレットで閲覧したり,ネット上に公開したりできる.ただし,スマートフォンへのデータ転送についてはファイル・サイズの上限が2Mバイトで静止画像のみ,という制限が設けられている.DLNA(Digital Living Network Alliance)レンダラになるテレビ(一部のBRAVIA)と組み合わせれば,撮影した写真をテレビに表示することも可能.

 同社の近接無線転送技術「TransfertJet」に対応する.同梱のクレードル「マルチステーション」をUSBケーブルでパソコンに接続し,そこに本カメラを載せるだけでパソコンへデータを転送できる.このクレードルは,非接触充電機能も備えている.

 このほかGPS,コンパス,防水・防塵・耐低温性能などの機能を装備する.

 

●コンパクト・デジカメが超小型プロジェクタを内蔵

 ジェネラル・イメージング・ジャパンは,本体に米国Texas Instruments社のDLP(Digital Light Processing)プロジェクタ・システムを内蔵したコンパクト・ディジタル・カメラ「GE PJ1」を展示した(写真7).撮影した画像やパソコン内のデータなどをスクリーンに投映できる.付属するリモコンで,プロジェクタの起動や操作を行うことも可能.パソコン内のデータを投影するためには,付属の専用ソフトをパソコンにインストールする必要がある.外形寸法は100.8mm×64.5mm×21.2mm,重量は約125g.

写真7 ジェネラル・イメージング・ジャパンが展示した「GE PJ1」

 

 投映画面のサイズは5型~70型,投映距離は約0.2m~約2.5mである.また,明るさは最大15ルーメン,解像度は640ピクセル×480ピクセル,コントラスト比は300:1.連続投映可能時間は,満充電時に約70分.

 有効画素数が1410万のCCDイメージ・センサを搭載する.ズームは広角28mmから光学7倍で,ワイドから望遠までの撮影に対応する.静止画撮影時は,パノラマ撮影機能「パンショット・パノラマ」,HDR機能,顔・笑顔検出機能などを利用できる.

 動画は1280ピクセル×720ピクセルのHD映像に対応する.カラー液晶モニタのサイズは3.0インチ型,画素数は約23万.,液晶画面の明るさは,周囲の明るさに合わせて自動調節される.

 

きたむら・としゆき

 

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