95倍ズームからUSB 3.0磁気テープ装置,ノイズ検査まで,放送現場を支える専門技術が一堂に ―― Inter BEE 2011(国際放送機器展)

北村 俊之

tag: 電子回路

レポート 2011年11月25日

●テープ素材特有のノイズを自動チェック

 ニコンは,映像素材をリアルタイムで検査し,ビデオ・テープ素材特有のノイズを自動でチェックできる映像ノイズ検出装置「VQ-RT101」を展示した(写真5).本検査装置は,映像チェックの目視検査を補助する目的で開発された.本検査装置を利用することにより,品質チェックのばらつきを抑えることができる.

 

写真5 ニコンの「VQ-RT101」

 

 映像制作で一般的に使用されるVTR機器のHD-SDI出力信号を入力し,比較映像なしでテープ素材特有のノイズを定められた項目ごとに自動でチェックする.映像検査については,テープ・ノイズ,フィールド・ブラックアウト,黒フレーム・フィールド,フリーズ・フレーム,タイム・コード不連続を,音声検査については,ピーク,無音,モスキート音などをチェックできる.

 制御ソフトウェアを使って,検査項目ごとの詳細な設定やエラー発生状況のリアルタイム監視,エラー発生時の映像キャプチャ,ログ情報のパソコンへの保存,タイム・コードで指定した範囲の任意映像の検査などを行うことができる.

 

 

●3Dコンテンツに対応した携帯型の波形モニタを展示

 リーダー電子は,SDI信号とHDMI信号に対応した携帯型の波形モニタ「LV 5382」を展示した(写真6).HD-SDIの2入力同時表示やHDMIのフレーム・パッキング,サイド・バイ・サイド,トップ・アンド・ボトムの機能を備えており,3Dコンテンツに対応できる.

 

写真6 リーダー電子の「LV 5382」

 

 3Dコンテンツの評価機能として,立体感を簡易的に表現するアナグリフ表示,左右カメラを正確に調整するコンバージェンス表示,水平確認や視差確認のための可変グリッド表示,ミラー方式リグを使用した際に必要となる映像の上下左右反転などの機能を備えている.また,表示機能については,ビデオ信号波形表示やベクトル表示,ピクチャ表示,オーディオ・レベル計表示,5バー表示,伝送エラー検出,ガマット・エラー検出などに対応する.

 表示画面を静止画データとしてキャプチャ可能.また,取り込んだデータをUSBメモリにビットマップ形式で保存できる.オプションでバッテリ駆動も可能となっており,3D撮影のロケ現場などで利用できる.

 

 

●双眼鏡が2D/3DのフルHD動画撮影機能を装備

 ソニーは,2D/3Dのフルハイビジョン動画を記録できるディジタル録画双眼鏡「DEV-5K」を展示した(写真7).監視,観察から記録までを1台で行え,決定的な場面を確実に記録することを目的に開発した.今後,警備や監視,保安といった用途への提案を行っていくという.

 

写真7 ソニーの「DEV-5K」

 

 記録形式は,AVCHD Ver 2.0に準拠しており,1920×1080/60pや3Dのハイビジョン記録に対応する.双眼鏡倍率の0.8倍からディジタル・ズームの最大20倍まで,シームレスなズームを実現した.光学式の手ブレ補正機能を備えており,縦方向,横方向,回転方向の3方向の手ブレを補正できる.GPS機能を内蔵しており,動画・静止画の記録時に自動的に緯度,経度の情報も記録される.

 双眼鏡の堅牢さとカメラの操作性を両立した.点灯部を本体後方に配置したので,観察対象から見つかりにくいという.外形寸法は155mm×88mm×219mm,重量は1.13kg.

 

 

きたむら・としゆき

 

 

«  1  2
組み込みキャッチアップ

お知らせ 一覧を見る

電子書籍の最新刊! FPGAマガジン No.12『ARMコアFPGA×Linux初体験』好評発売中

FPGAマガジン No.11『性能UP! アルゴリズム×手仕上げHDL』好評発売中! PDF版もあります

PICK UP用語

EV(電気自動車)

関連記事

EnOcean

関連記事

Android

関連記事

ニュース 一覧を見る
Tech Villageブログ

渡辺のぼるのロボコン・プロモータ日記

2年ぶりのブログ更新w

2016年10月 9日

Hamana Project

Hamana-8最終打ち上げ報告(その2)

2012年6月26日