SiCパワー,DDRメモリ,超高速伝送の最新技術動向を講演 ―― テクトロニクス・イノベーション・フォーラム 2011

福田 昭

tag: 半導体 実装 電子回路

レポート 2011年9月 9日

●超高速インターフェース「Thunderbolt」の正体を解説

 最後に紹介するのは,米国Intel社が開発した超高速インターフェース技術「Thunderbolt」(サンダーボルト)の解説である.日本法人インテルの本間 暢氏,浦山 晃一郎氏,黄 百亨氏が交代で講演した.

 Thunderboltはポート当たり10Gbpsでデータを双方向にシリアル転送し,複数のプロトコルをサポートする(写真10).最初に製品化されたバージョンでは,DisplayPortとPCI Expressの2種類のプロトコルを標準でサポートする.DisplayPortとPCI Expressのデバイス・ドライバは,既存のドライバをそのまま流用している.

 

写真10 Thunderbolt(サンダーボルト)技術の概要

 

 ThunderboltのケーブルはMini DiplayPortと同じ形状のコネクタを備えており,Thunderboltを備えた機器のコネクタにはDiplayPortも接続できる.ケーブル長は最大で3mである.

 ThunderboltのコントローラLSIはPCI Expressの信号とThunderboltの信号を入出力する.1個のコントローラLSIで2チャネルあるいは4チャネルのThunderboltインターフェースをサポートする(写真11).1個のコネクタには2チャネルのThunderboltインターフェースが格納されている.またThunderboltは給電機能を備えており,10Wまでの電力をホストからペリフェラルに供給できる.

 

写真11 Thunderboltを組み込んだパソコンのシステム・アーキテクチャ

 

 なおThunderboltの詳細な技術情報は,Intel社からライセンスを受けることで入手できるようになる.


●スペアナ機能を組み込んだディジタル・オシロ新製品を披露

 また,テクトロニクス・イノベーション・フォーラム 2011に併設の展示会(写真12)では,2011年8月30日にテクトロニクスが発表したディジタル・オシロスコープの新製品「MDO4000シリーズ」を展示していた.ミックストシグナル・オシロスコープにスペクトラム・アナライザ機能(リアルタイム・スペアナ機能)を組み込んだオシロスコープである(写真13).テクトロニクスでは「ミクスド・ドメイン・オシロスコープ」と呼んでいる.

 

写真12 テクトロニクス・イノベーション・フォーラム 2011の展示会場


写真13 ミックストシグナル・オシロスコープにスペクトラム・アナライザ機能(リアルタイム・スペアナ機能)を組み込んだオシロスコープ「MDO4000シリーズ」

 

 

ふくだ・あきら
フリーランス・テクノロジ・ライタ
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