触感フィードバックやリアルタイム画像伝送など,ユーザに臨場感をもたらす技術に注目 ―― 第14回 組込みシステム開発技術展(ESEC)レポート

北村 俊之

tag: 組み込み

レポート 2011年5月19日

●待機時電流や駆動電流がほとんど不要な3軸微振動検知センサを展示

 佐鳥電機は,ジーデバイスが開発した表面実装型(チップ部品)の3軸加速度(微振動)検知センサ「CMN200」を展示した(写真4).アクティブ型ICタグやキーレス・エントリなどの節電センサ,倉庫や自販機などの盗難防止センサ,燃焼機器安全センサ,仕向け地管理,貨物/物流/車両などの移動検出などに利用できる.

 

写真4 佐鳥電機が展示したジーデバイスの「CMN200」

 

 本加速度センサは,微細精密金型技術とフープ成型技術を応用して製造している.外形寸法は2.0mm×2.0mm×1.2mmと小型で,3軸方向の微小な振動を検出する.電気出力はON/OFFアナログ出力で,電極端子は2極のシンプルな構造.待機時電流や駆動電流はほとんど不要で,リフロはんだ付け実装を行える.使用温度範囲は-25℃~70℃.

 実験基板の製作やはんだ付けなどの煩わしさを軽減するCMN200用評価ボード「CMN200-K」も提供している.

 

●動的テスト・ツールがソフトウェアの動きや品質を見える化

 ハートランド・データは,動的テスト・ツール「DT10 Ver 5.0」を展示した(写真5).本ツールは,パソコンにインストールするアプリケーション・ソフトウェア,およびターゲットとパソコンを接続するハードウェア群で構成される.ハードウェア群には,ターゲットが出力したデータを処理してパソコンに送信する「Dynamic Tracer」と,「Dynamic Tracer」とターゲットを接続するオプション・ハードウェアが用意されている.ターゲットとの接続は,マイコンの汎用ボードを利用した4ビット・パラレル通信インターフェースや3線シリアル通信インターフェース,Ethernet,UARTなどに対応している.

 

写真5 ハートランド・データの「DT10 Ver 5.0」

 

 本ツールを利用すると,ソース・コードに埋め込んだテスト・ポイントを利用して,ターゲット上で実行中のソフトウェアの動作を,外部から把握できる.実行経路やタスクのトレース結果,変数の値,CPUの負荷,プログラムの実行時間や周期時間,カバレッジなどをパソコンのモニタ画面に表示できる.多くの情報をソース・コードと対比しながら確認できるため,問題点を効率よく割り出せるという.また,収集したレポートから自動でテスト報告書を作成する機能もサポートしている.

 

●会議用テーブルがネットワークに接続

 パイオニアソリューションズは,インテルの展示ブース内で,天板にディスプレイを備えた会議用テーブル「ディスカッションテーブル(WWS-DT101)」を展示した(写真6).本テーブルは,コンテンツを表示したり,コンテンツへ書き込んだりする機能を備えている.これにより,レビューやプロジェクトの創発会議などの際に,効率的で創造的な会議運営を実現できるという.

 

写真6 パイオニアソリューションズの「WWS-DT101」

 

 パソコンやスキャナ,デジタル・カメラ,iPadなどを接続できる.また,静止画や動画,パソコンの画面など,複数のコンテンツや画面を同時に表示可能.タッチ・パネルを備えており,タッチ操作によりコンテンツの拡大・縮小を行う.例えば,参加者全員でコンテンツを加工しながら打ち合わせを行える.

 本テーブルにサブディスプレイを最大2台接続できる.また,遠隔会議システムと組み合わせると,離れた場所から会議に参加したり,遠隔地のパソコンへコンテンツを送ることも可能.

 

きたむら・としゆき


 

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