《読者の広場》 「ひと口コメント」 Part 12―― 『高位合成技術』を普及させるには?

Tech Village 編集部

tag: 半導体

読者の広場 2011年3月25日

Tech Villageプレゼンツへのご応募ありがとうございました.今回の「ひと言」のお題は,

Q.高位合成技術を普及させるためには、何が必要だと思いますか?

でした.以下に,皆さまからいただいた回答の一部を紹介します.(編集部)


[回答]

  • 最近の技術者は、担当する限られた範囲内での知識を深く掘り下げた専門分野を担当しており、広く深くの知識は持ちえていません.高位合成技術となると、長年設計に従事してきたベテラン技術者であれば、豊富な知識を生かして行うことも可能だと思いますが、若手技術者にとっては、あまりにも習得しなければいけない知識が多く、不可能に近いものと思います.先輩技術者へついて助手作業等をしながら、数年かけて知識の習得をしていける体制を得られればできると思いますが、速習で育成は難しいでしょう.専門育成機関が必要だと思います.
     
  • 高位合成技術の普及の為には、評価基板のような動作を直接確認できる機材の安価な提供と、開発環境とシミュレータの操作性の高さが必要だと考える.シミュレーションと実動作の違いは実機を動かして経験を積むことから始められなければ絶対に不可能であり、高位合成を行っていく上では必要なことです.またIPコアのような再利用可能な資産が圧倒的に不足していると思うので、そういった資産提供を行える場所があれば、さらにハードルが下がっていくと考えられるため、普及する上であれば便利だと考えられる.
     
  • ハードウェア設計者の意識改革?と考えます.ハードウェア設計者には、面倒(新たにツールを覚える)、ハード設計者の意図する回路が1発で得られない為、必要があると考えている為、なかなか重い腰が上がらないと思います.アルゴリズム設計者へハード化の極意を教育する方が早く移行できると思います.
     
  • ハードウェア設計者へのC言語などの教育と、実際の設計物に近いレベルの記述例が必要.単純な演算器レベルの例題では参考にならない.また旧来の純粋なハードウェア設計者にとってC言語そのもののが敷居が高く習得出来ないのと、どう記述すればいいのかが分からないので.
     
  • 私はいまひとつ敷居が高い様な気がして手を出していません.原因としては、FPGAの場合はVHDLやverilogと同様に開発ツールのほぼ無償化とある程度の実績が必要ではないかと思われます.
     
  • 大学や研究機関等で基礎から専門教育を行い技術者の育成をやっていくしかないと思います.また、その技術を持った技術者のOJTによる後輩技術者の指導などを実践的・継続的に行っていく必要が重要だと思っています.
     
  • 現場を知らない学生の意見ですが、第一にアカデミックで高位合成が重要視されているのか、疑問に思う所があります.実際大きい大学も研究を行っているのでしょうが、やはり他の分野に比べると規模が見劣りするのではないかと思います.まずは大学などのアカデミックでの普及が必要かと思います.産学連携で技術研究を進めてみてはどうかと思います.
     
  • どのような場合に使用できるかを解説してほしい.画像処理などの適用例はよくみるがそれ以外の例をほとんど見ないので、自分の業務にどのように関係させることができるかを知りたい.
     
  • 向いているアプリケーションを確立し、そこを徹底的に磨く地道な実績の積み上げ.
     
  • 高位合成技術の普及には、論理設計者の意識改革が必要です.今も尚、多くの論理設計者が、従来のHDL設計の方が、優れた回路、すなわち、小さくて速い回路が作れると信じで疑っていません.しかし、これらの要因だけが、これからも重要な要因で有り続けるのでしょうか?Time to Maketはどうでしょうか?仕様変更後のTATはどうでしょうか?検証の時間はどうでしょうか?高位合成への移行を拒むエンジニアは、1990年代に、回路図からHDL設計の移行を拒んだ設計者が何と言っていたか思い出すべきです.そうです、「HDLは回路サイズが大きくなる」と声高に叫んでいました.彼らは今何をしているのでしょうか?HDL化への波に乗れず、仕事を失っていったのです.「HDL」を「高位合成」に置き換えると、何年か後の自分がどうなるか、考える時が来ているのではないでしょうか.
     

 

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