理系のための文書作成術(4) ―― 自分の「赤ペン先生」を持とう
コラム 査読や指摘の書き方:筆者の場合
筆者は,開発文書を査読する際に,赤ペンを使って文書に直に指摘を書いてから,指摘項目を一覧できるリストを作成しています(図A).リストには,どのような指摘があったのかを概観できるような項目を記載したり,本文中に書ききれない説明などを記入しておきます.指摘の内容を分類するための「診断種別」の欄も作っています.そして,開発文書を印刷した紙に直接,赤ペンを使って手書きの指摘を記入する方法をとっています.

図A 赤入れ文書と指摘項目のリスト ※ クリックすると拡大できます
また,パソコン上で,ワープロ・ソフトウェアの校正機能や変更履歴機能を使うこともあります.最近では,手書きで赤ペンを入れる感覚に近い校正機能を持ったツールもいくつか出てきているようです.ただし,画面上で査読を行う場合は,文書の全体像を把握しにくい点に注意しましょう.十分に大きな画面を用意できたり,パソコンを複数並べて表示できるなど,文書内のほかの関連個所やほかの関連文書に視線をすぐに移動できるような環境があればよいと思います.
筆者にとっては,目次と本文との行き来を手で自由に行える紙の状態が,原始的ではありますが現段階で最適な環境です.
しおや・あつこ
イオタクラフト
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