暮らしに役立つ新QC七つ道具(2) ―― マトリックス図法:「行列」で「整理」する
● 物事の要素をマトリックス=格子状にして関係性を整理する
部下A(アー)さんの説明した方法を「マトリックス図法」といいます.マトリックス図法とは,物事の要素を列方向と行方向に層別して,それぞれの要素間の関連を整理するための手法です.
「問題と原因」,「目的と手段」など,相互に関連する要素が複数存在している場合に,それらを整理するために使います.また,全体の構成と個々の要素の両方を一目で確認できることが最大の特徴です.
マトリックス図には,前記の例で挙げたような二つの要素を扱うL型マトリックス図だけでなく,三つの要素を扱う「T型マトリックス図」(図2),「Y型マトリックス図」,「C型マトリックス図」,四つの要素を扱う「X型マトリックス図」(図3)があります.
[図2] T型マトリックス図の例
[図3] X型マトリックス図の例
関連する要素が多い場合には,L型マトリックス図では足りない場合も出てくることは確かです.けれども,要素が多くなると複雑になってしまうので,筆者としては,無理に一つにまとめるのであれば,複数のL型マトリックス図を使う方がよいのではないかと考えています.
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次回は「マトリックス・データ解析法」を取り上げます.お楽しみに.(^ ^)
くにひろ・よういち
◆筆者プロフィール◆ 国広 洋一(くにひろ・よういち).東京多摩在住の組み込み系ツール企業勤務エンジニア.『基本から学ぶソフトウェアテスト
』の勉強会に参加したことをきっかけに,社外の勉強会にときおり参加しています.TEF(Testing Engineer's Forum;ソフトウェアテスト技術者交流会)やSQiP(Software Quality Profession,スキップと発音する)の勉強会に行くと会えるかも.TestLink日本語化部会のメンバでもあります.オープン・ソースのテスト管理ツールであるTestLinkをどうぞよろしく.
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