メタボ対策市場に勝機,健康チェック計測器が続々 ――健康博覧会2009

北村 俊之

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レポート 2009年3月17日

 2009年3月11日~13日の3日間,東京ビッグサイト(東京都江東区)にて,健康産業ビジネスの総合展示会「健康博覧会2009」が開催された(写真1).今回で27回目を迎える本展示会は,健康食品・サプリメントから健康機器,ビューティ商品,フィットネス,オーガニック・エコ商材まで,国内外から数多くの健康商品・サービスが一堂に会する健康産業界のトレード・ショーとなっている.主催はCMPジャパン.併催は,統合医療展2009および,メディケアフーズ展2009

 2008年4月に開始された「特定健診・保健指導制度」により,各社の新商品開発や研究が活発になり,展示会場内には最新のメタボ対策商材が多数発表されていた.例えば会場内には「メタボ対策エリア」が設けられ,血糖値やコレステロール,脂肪燃焼を訴求したサプリ,糖尿病食,栄養管理ソフト,資格認定制度,フィットネス機器,ヘルス・チェックなどが展示されていた.また今回から,「心の健康」をテーマにした「メンタルヘルス」ゾーン,オーガニック・コットン・パビリオンなども新設された.

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[写真1] 健康博覧会2009の会場受付の様子

●手で診断する小型・軽量の健康チェック機器を展示

 ディーブイエックスは,小型・軽量の健康チェック機器「ヘルシーPodJR」を展示した(写真2).本機器は小型ながらも,ストレス・チェックや心拍数,体脂肪率,歩数,歩行距離などの計測および表示を行える.操作はシンプルで,チェックしたい項目を選び,本体表面の左右に配置された電極に親指を触れるだけ.本機器で測定したデータを専用のWebサイト「Consult your Health」にアップロードすると,さらに詳しい分析を行える.また,その結果をもとに,健康状態を維持・改善するためのアドバイスを行ってくれるという.

 パソコンとの接続はUSBケーブルにて行う.電源は単4形アルカリ乾電池で,約2週間分のデータを記録することが可能.

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[写真2] ディーブイエックスの健康チェック機器「ヘルシーPodJR」

●3D映像を利用して動体視力のトレーニングを実施

 オリンパスビジュアルコミュニケーションズは,特殊な3次元(3D)映像を利用した動体視力トレーニング・システム「POWER 3D Visual Training System」を展示した(写真3).スピードへの対応を要求される球技やモータ・スポーツの世界で,多くの選手の視覚能力を高めた実績を持つという.

 スポーツにおいては,動きを的確に捉え,それに対して即座に反応する能力が求められるという.本システムでは,3D映像プログラムによる距離感を含めたビジュアル・トレーニングが行える.省スペースで広い空間と同等の視覚を再現できるほか,視覚能力に合わせて動体視力のレベルなどを設定することも可能.

 実際のトレーニングでは,「横方向の動体視力を鍛える」,「奥行き方向の動体視力を鍛える」,「イメージで捕らえる」,「距離感を養う」などの七つのステージが用意されている.トレーニングの時間は1日10分間程度.また,動体視力のトレーニングだけでなく,日常の眼のコンディション作りにも活用できるという.

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[写真3] オリンパスビジュアルコミュニケーションズの動体視力トレーニング・システム「POWER 3D Visual Training System」

●タッチパネル付きのカラー液晶を備える業務用体組成計を展示

 タニタは,業務用のマルチ周波数体組成計「MC-190」を展示した(写真4).この体組成計は,マルチ周波数による生体インピーダンス測定と,骨密度検査などで使われるDXA(Dual Energy X-Ray Absoptiometry;二重X線吸収法)法,体に投与した既知濃度の重水の薄まり度合い(希釈率)から体水分を計算する希釈法で得られたデータを利用して,筋肉量や体水分量,体脂肪率の算出を行っている.また,細胞内液と細部外液のバランスを測定することにより,体内水分の移動などによる日内変動を低減させているという.

 実際の測定に際しては,性別や年齢,身長をタッチ・パネル付きのカラー液晶ディスプレイに入力し,あとは左右の測定バーを握るだけである.約20秒で測定は終了する.測定結果は,その場で専用の台紙にプリント・アウトされる.筋肉と体脂肪のバランスや量などをグラフやチャートで示す.姉妹機種の「MC-190EM」には,妊産婦でも安心して測定できるマタニティ・モードを搭載している.母体はもちろん,胎児に対する影響もないという.本体にはUSB出力端子とRS-232-C出力端子を標準装備しており,測定したデータを専用ソフトウェア経由で,パソコンに取り込むことも可能.

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[写真4] タニタの業務用体組成計「MC-190」

●上腕動脈の硬さ度を色で識別できる血圧計を展示

 ニプロは,上腕動脈の硬さ度を表示できる血圧計「バイタルビジョン MS-1200」を展示した(写真5).本血圧計は,血圧および脈拍数の測定と同時に,脈波別のパターンから上腕動脈血管の硬さ度を示す指標「H-Value」を計算して表示する.

 血圧測定中の脈波信号を順番に並べると,脈波パターンを形成する.この脈波パターンには,血管の性質を示す情報が含まれているという.柔らかい動脈は圧力変化に対してよく伸展するため,三角形のパターンを示す.一方,硬い動脈は同じ圧力変化でも伸展しにくいため,台形型のパターンを示す.本血圧計では,緑,黄,橙,赤の4種類の色(緑が正常,黄色が注意,橙・赤は硬化が進んでいる)で4段階の上腕動脈の硬さ度を示す.また,30回分の測定値を記録し,平均値を確認できるメモリ機能を備えている.

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[写真5] ニプロの上腕式血圧計「バイタルビジョン MS-1200」

●超音波画像計測を非医療の分野へ展開

 グローバルヘルスは,パソコンに接続してデータ処理を行える超音波画像計測装置「みるキューブ(GH-101)」を展示した(写真6).本画像計測装置は,これまで医療分野でのみ使用されてきた超音波画像計測の機能について,適用範囲を皮下脂肪と筋肉の厚さの測定に絞って小型・軽量化した機器である.ノイズの影響や画質の劣化の少ない信号処理方式を採用しているという.USBケーブル経由でパソコンに接続することにより,データ管理や画像処理を容易に行える.専用のデータ管理ソフトウェアが付属し,このソフトウェアから撮影や計測の制御,データ管理を行える.画像データは標準的なフォーマットに対応しているため,既存のパソコン用ソフトウェアと組み合わせて使用しやすい.

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[写真6] グローバルヘルスの超音波画像計測装置「みるキューブ(GH-101)」

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