新人技術者のためのロジカル・シンキング入門(6) ―― ハードウェア基礎の基礎
【3】ソフト技術者のための「グラウンド」
さて,図3には実は略している信号線があります.ハードウェア技術者ならすぐわかると思いますが,それは電源とグラウンド(GND)です(図8).ソフトウェア技術者ができ上がった回路を使いこなすということに話を限定した場合,両者を意識する場面は限られてきます.
図8 電源とグラウンド
図3には実は略した信号線,すなわち電源とグラウンドが存在する.両者は回路図でも略されることが多い.ソフトウェア技術者が電源を意識するのは,主に省電力モードで回路を動かす必要がある場合などである.
電源については,回路を省電力モード,すなわち動作周波数を落としたり,クロックを止めたりする動作を行う場合,ソフトウェア技術者といえども電源の使いかたを考えなければなりません.回路を省電力モードにするとき,通常動作に戻すときなどは,電源やクロックの供給,リセットをかける順番に気をつける必要があります.これは,それぞれの回路の仕様書を確認するしかないでしょう.
グラウンドについては,これを触った経験は筆者にはほとんどありません.ただし,製造の初期段階のボードを開発で使用しているときなどは,ときどき「グラウンドが弱すぎて動作が不安定」などというものに出くわすことがあります.このような場面の切り分けは,もはや個体不良品の切り分けになるので,ここでは省略します.
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