海外への業務委託をきっかけにUML導入の機運高まる ――第2回 中国オフショア開発セミナー

組み込みネット編集部

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レポート 2006年12月12日

 2006年12月5日,泉ガーデンコンファレンスセンター(東京都港区)において,「第2回 中国オフショア開発セミナー」が開催された.本セミナの中で,日系企業向けにシステム・インテグレーション事業や開発業務の受託を行っている上海技菱系統集成有限公司(CIJ上海) 総経理の水沼 充氏が,『中国オフショア開発のトレンド ~オフショア開発の現場から~』と題して講演を行った(写真1).中国におけるオフショア開発(海外への開発拠点のシフト,および海外企業への開発業務委託)が進む中,日中双方のエンジニア間のコミュニケーションの円滑化を目的として,UML(unified modeling language)への関心が高まっているという.

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[写真1] 講演を行う上海技菱系統集成有限公司(CIJ上海) 総経理の水沼 充氏
CIJテクノロジックアートが共同開催した「第2回 中国オフショア開発セミナー」において発表した.

 水沼氏によると,中国のソフトウェア産業におけるオフショア開発業務の比率が非常に伸びているという.また,米国Accenture社や米国Hewlett Packard社,米国IBM社などが中国国内に開発拠点を設立したことにより,優秀な技術者がそれらの大企業に流れてしまい,中小規模のソフトウェア・ハウスは経営不振に陥っているという.上海の地価が高騰し,開発拠点が内陸に移転するなどの動きもあり,2006年中はスムーズに進行しないプロジェクトも多かったようだ.

 中国におけるUMLの活用については,1990年代後半にUMLを設計言語として使おうという動きが盛り上がった後,下火になっていた.それがここに来て,あらためて注目されているという.その理由としては,中小規模のソフトウェア・ハウスがUMLの導入を契機に技術力の強化を図ろうとしていること,NTTデータや野村総合研究所などの発注側企業がUMLを本格的に採用し,受注側のソフトウェア・ハウスにもUMLを使えるように求めていること,などが挙げられる.オフショア開発では,国をまたいだエンジニア同士のコミュニケーションの壁が大きな課題となるが,UMLを共通の設計言語として使用できれば,言葉の問題をある程度緩和できる.

 中国におけるこれまでのUML教育は,基本的には「与えられたUMLをどのように実装するのか」という観点からの教育だった.現状では,UMLを使いこなせる技術者は多くないが,最近になって,設計などの上流工程に関するIT(information technology)教育が盛んになってきており,今後,UMLが活用されることが期待できるという.これらの動向に合わせて,CIJは,2007年からOMG(Object Management Group)認定UML技術者資格試験(OCUP)を中国国内で実施することを計画している.

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