車載を意識したELディスプレイやLEDバックライトに注目が集まる ――FPD International 2006
●開発初期から現在までの液晶ディスプレイを並べて展示
シャープは,パシフィコ横浜の別館(アネックス)にて同社の亀山工場の紹介展示を行った.開発初期から現在までの液晶ディスプレイやコントラストを改善した新製品,後述する高コントラストのディスプレイ,高精
細ディスプレイなどのデモンストレーションを行った(写真5).
一般に液晶ディスプレイは, CRT(cathode ray tube)ディスプレイやプラズマ・ディスプレイと比べてコントラストが低いと言われている.CRTディスプレイのコントラスト比は10,000対1程度,プラズマ・ディスプレイのコントラスト比は4,000対1程度であるのに対し,同社の従来の液晶ディスプレイのコントラスト比は1,200対1だった.今回,コントラスト比が2,000対1の品種を開発し,デモンストレーションを行った.さらに高いコントラスト比をもつ製品として,1,000,000対1の液晶ディスプレイの試作機も紹介した.
また,同じ会場にて,第6世代のマザー・ガラス(1.5m×1.8m)と第8世代のマザー・ガラス(2.16m×2.46m)の比較展示を行った.
[写真5] 1987年に発売された3インチ・カラー液晶ディスプレイ「クリスタルトロン」
パシフィコ横浜の別館(アネックス)にて,シャープの亀山工場の紹介展示を行った.
●ディジタル・オーディオ機器の検査・測定用プロトコル・アナライザ
アストロデザインは,ディジタル映像や音声の入力/出力インターフェース規格であるHDMI(High-Definition Multimedia Interface)のテストを行うプロトコル・アナライザ「VA-1809」を展示した(写真6).HDMIを採用したDVDやセットトップ・ボックスなどの家電製品の開発に利用できる.「TEST ID 7-25 Video Format Timing(接続されたDVD機器から正しいフォーマットで信号が出力されるていかどうかなどのテスト)」というコンプライアンス・テスト項目の合否(OK/NG)を判定し,表示する.消費電力は最大50W.電源電圧は100V~120Vまたは200V~240V.
[写真6] HDMI規格への適合性を検査・測定するアナライザ「VA-1809」
アストロデザインは,マルチメディア・スキャン・コンバータなども発売している.
●明るさや色度分布のドットのムラを測定できる2次元色彩輝度計
コニカミノルタセンシングは,980ピクセル×980ピクセルの分解能をもつ2次元色彩輝度計「CA2000」を展示した(写真7).明度分布や色度分布のドットのムラを測定できる.ディスプレイ・パネルや速度メータ,LEDなどの色温度や明るさ,色度分布などの検査に使用する.
[写真7] 2次元色度分布測定のデモンストレーション
明度分布や色度分布のドットのムラまで測定できる.
●103インチのフルハイビジョン・プラズマ・ディスプレイ
松下電器産業は, 量産されている薄型ディスプレイとしては世界最大となる103インチのフルハイビジョン・プラズマ・ディスプレイ「TH-103PF9K」を展示した.パネルに使用するガラスやフィルムを均質に製造する技術を改良することで,大型化に成功したという.
同時に,103インチの縦型ディスプレイも展示した.ブティックなど,業務用途における需要を見込んでいる(写真8).
[写真8] 103インチ縦型ディスプレイ
ブティックなど,業務用途における需要を見込んでいる.