Telelogic社はRhapsodyとTAUのいずれの開発も継続 ――UMLツール・ベンダどうしのM&Aのその後を聞く
2005年12月,スウェーデンTelelogic社は,UMLモデリング・ツール「Rhapsody」の開発元である米国I-Logix社を買収した.Telelogic社はUMLモデリング・ツール「TAU」やその関連製品群を自社で開発しているが,I-Logix社買収後半年が経った現在,これらのツールはどのように位置づけられているのだろうか.今後の製品開発や顧客対応について,Telelogic社Vice President, International Operations, Systems & Software Modeling Business UnitのPatrick Regester氏と同社Senior Vice President Technical Operations, Market Division Asia & PacificのThomas Konrad氏に聞いた.
[写真1] 写真左がPatrick Regester氏,写真右がThomas Konrad氏.Regester氏はI-Logix社出身,Konrad氏はTelelogic社出身である
――この買収は,両社にとってどのような意義があったのでしょうか?
Patrick Regester氏:I-Logix社にとっては,会社が大きくなるための資本が必要でした.一方,Telelogic社にとっては,Rhapsodyを手に入れることにより,製品のラインナップが充実するわけです.双方にとって,また顧客にとって,メリットのある買収だと考えています.
――コード生成機能を持つUMLモデリング・ツールとして,どのツールをRhapsodyの競合製品と考えていますか?
Regester氏:これまで,Rhapsodyの最大の競合製品と考えていたのは,実はTelelogic社のTAUでした.ユーザの過去の資産を見ると,IBM/Rational Roseのモデルを持っている会社が多くあります.RhapsodyはRoseからの移行機能を備えており,古いモデルを活用したいと考える顧客からその機能が歓迎されています.
――I-Logix社を買収した後のTelelogic社としては,RhapsodyとTAUの両方を提供していくのですか?
Regester氏:基本的に,システム設計はTAUで,サブシステムなどの詳細設計はRhapsodyで,というようにすみ分けると考えています.また,ツール導入時にそれぞれの製品の顧客がどのようなものを求めているかを確認し,それに合ったツールを提案していく予定です.
――RhapsodyとTAUのそれぞれの新しい機能について教えてください.
Thomas Konrad氏:Rhapsodyは2006年5月にバージョン6.2を開発しました.このバージョンでは,Eclipse開発環境へのプラグイン機能を用意しました.これにより,EclipseとRhapsodyを同時に立ち上げて,Rhapsodyで生成したコードをEclipse上で変更すると,その変更を自動的にRhapsodyのモデルに反映することができます.また別の機能として,モデルを変更した場合に,どの部分が変更されたかをビジュアルに確認できる機能(可視差分検証機能,写真2)をすべての図に対して適用できるようにしました.この機能は,これまではシーケンス図だけに備わっていたものです.
[写真2] Rhapsody 6.2の可視差分検証(visual defferencing)機能
モデルの変更された部分を強調表示してくれる.これにより,設計や要件の変更がプロジェクトにどのような影響を与えるかを管理しやすくなる
Konrad氏:TAUについては,2006年5月にバージョン2.7を開発しました.このバージョンで,一つまたは複数のアクティビティ図からシステムのワークフローを構築できるようになりました.また,Roseモデルのインポート機能を強化しました.具体的には,Roseの状態遷移図をインポートできるようになりました.
――日本国内のサポート体制について教えてください.
Regester氏:基本的に,買収前と同じ体制を継続します.I-Logix社の日本事務所と,伊藤忠テクノサイエンスなどの販売代理店がRhapsodyを販売し,日本テレロジックがTAUやその関連製品を販売します.