研究・試作やセル生産などに利用できる小型のリフロ装置やプリント基板加工機を展示 ――JPCA Show 2006/2006マイクロエレクトロニクスショー

組み込みネット編集部

tag: 組み込み

レポート 2006年7月13日

 2006年5月31日~6月2日,東京ビッグサイト(東京都江東区)にて,電子実装技術や材料,製造機械・装置に関する展示会「JPCA Show 2006/2006マイクロエレクトロニクスショー」が開催された.JPCA Show 2006は社団法人日本電子回路工業会(JPCA)が主催する展示会で,2006プリント配線板総合技術展(PWB Technology Expo 2006)や2006FPC技術展(FPC Expo 2006),2006デザイン・エンジニアリング・ソリューション展(DES Expo 2006),2006試験・検査・評価・分析総合技術展(MicroTEST 2006)から構成される.2006マイクロエレクトロニクスショーは,社団法人エレクトロニクス実装学会が主催する展示会である.

 本展示会では,研究・試作やセル生産などに利用できる小型のリフロ装置やプリント基板加工機,X線透視検査装置,基板リワーク装置などの展示が目立っていた.セル生産方式とは,製品の製造工程において,1人または数名の作業者により,製品の組み立てから出荷検査までを担う生産方式のこと.

p1.jpg
[写真1] JPCA Show 2006の会場入り口付近
2006年5月31日~6月2日,東京ビッグサイトで開催された.

●B5サイズのプリント基板を約3時間で加工する基板加工機

 ミッツはプリント基板加工機を展示した(写真2).加工できる最小パターン幅は0.15mmで,B5サイズのプリント基板(写真3)を約3時間で加工(片面の場合)できる.名刺サイズなら20分.同社では,学校や研究所の試作開発における需要を見込んでいる.プリント基板設計用CADツールが出力するGerberデータを2次元の基板加工用データに変換するCAD/CAMソフトウェア「Conversion」が付属している.加工できる基板のサイズは260mm×180mm,分解能は6.35μm.価格は895,000円(税抜き).

p2.jpg
[写真2] ミッツのプリント基板加工機

p3.jpg
[写真3] 加工後の基板

●生産ラインの温度プロファイルを再現できる小型リフロ装置

 マルコムは,セル生産用リフロ装置「RDT-165CP」を展示した(写真4).外形寸法は460mm×730mm×1067mm,重さは約83kg.リフロ装置としては比較的小型で軽い.最大165mm×200mmの基板に対応し,リフロの温度プロファイルを10パターンまで記憶できる.通常のリフロ炉の温度プロファイルをそのまま再現できる.リフロ条件設定用のソフトウェアが付属する.価格は220万円から.

p4.jpg
[写真4] マルコムのセル生産用リフロ装置の外観

●25μmのワイヤ・ボンディングの断線を確認できるX線透視検査装置

 東芝ITコントロールシステムは,X線透視検査装置「TOSMICRON-3090IN」を展示した(写真5).X線焦点寸法が5μmと小さく,最大拡大率は約200倍.例えば,LSIパッケージ内部の25μmのワイヤ・ボンディングの断線や折り曲げぐあいを確認できる.さらに,BGAはんだボールの接合や電子部品のはんだクラックも解析できる.外形寸法は700mm×1170mm×1730mm,重量は500kg.X線検査装置としては小型・軽量である.価格は890万円(税抜き).

 最大拡大率が730倍の「TOSMICRON-S8160IN」も製品化しており,こちらは研究部門への納入実績もある.

p5.jpg
[写真5] X線透視検査装置「TOSMICRON-3090IN」の外観

●赤外線加熱方式で対象エリアを均一に加熱できる基板リワーク装置

 日本アイリッヒは,独ERSA社の基板リワーク装置「IR650A」を展示した(写真6).赤外線加熱方式を用いることで,温風を送り込むノズルが不要となり,対象とするエリアを均一に加熱できる.とくにBGAパッケージに封止されるLSIのリワークに向く.本装置は,スウェーデンのEricsson社やフィンランドのNokia Mobile Phones社などに数十~数百台,納入した実績があるという.

 取り外したLSIを再度基板に搭載するための位置決め用治具「PL650A」も用意する.同治具の移動分解能は0.01mm.

p6.jpg
[写真6] 日本アイリッヒは独ERSA社の基板リワーク装置「IR650A」を展示した

●こて先の消耗がない半導体レーザ式はんだ付け装置

 ジャパンユニックスは,半導体レーザ式はんだ付け装置「UNIX-LS1」を展示した(写真7).リフロ層やフロー層に投入できない耐熱性の低い部品を後工程ではんだ付けする用途に向く.

 鉛フリー化では,一般にはんだ付け装置の「こて先」の消耗が激しいことが問題となっているが,レーザを使うことで1万時間以上保守が不要となった.このレーザ方式は,はんだの加熱容量を0.5秒で切り替えられる.例えば余熱を5W~10Wで行い,はんだ付けを20W~30Wで行うことで,信頼性の高いはんだ付けを実現できるという.

p7.jpg
[写真7] 半導体レーザ式はんだ付け装置「UNIX-LS1」の外観

●バックライトに高輝度LEDを使った検図用透過テーブル

 ダイナトロンは,バックライトにLEDを使った検図用透過テーブルを展示した(写真8).従来,蛍光灯を使っていた光源を,高輝度LEDに置き換えたことで,厚さ9mmと薄い装置を開発できた.同社では,各種フィルムの修正,確認,プレゼンテーションにおける利用を見込む.サイズはB2とB4,価格はそれぞれ115,000円と35,000円.

p8.jpg
[写真8] LEDバックライトを使った検図用透過テーブルの外観

組み込みキャッチアップ

お知らせ 一覧を見る

電子書籍の最新刊! FPGAマガジン No.12『ARMコアFPGA×Linux初体験』好評発売中

FPGAマガジン No.11『性能UP! アルゴリズム×手仕上げHDL』好評発売中! PDF版もあります

PICK UP用語

EV(電気自動車)

関連記事

EnOcean

関連記事

Android

関連記事

ニュース 一覧を見る
Tech Villageブログ

渡辺のぼるのロボコン・プロモータ日記

2年ぶりのブログ更新w

2016年10月 9日

Hamana Project

Hamana-8最終打ち上げ報告(その2)

2012年6月26日