UMLモデルと走行タイムを競うロボット・コンテスト開催 ――第2回UMLロボットコンテスト

組み込みネット編集部

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レポート 2003年4月23日

 2003年4月16日,青山テピア(東京都港区)において,LEGO MINDSTORMSで作成したロボットによる競技会「第2回UMLロボットコンテスト」が開催された(写真1).コンテストでは,決められたコースの走行タイムとあらかじめ提出されたUMLモデル図が評価の対象となる.このコンテストは,リアルタイム・ソフトウェアや組み込みソフトウェアへのUML適用を広く推進することを目的としている.

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[写真1] 競技会のようす
コースの周りには人だかりができ,熱気あふれる競技会となった.

●モデル図の評価とレース結果は一致せず

 昨年のロボット・コンテストでは,良いUMLモデルを書いたチームは走りが遅く,走りの速いチームのモデルは評価が高くない,という逆転現象が見られたという.今年もレースの上位を占めたチームとUMLモデルの良さを評価されたチームは異なっていた(写真2).しかし,「昨年に比べてUMLモデルの質は全体的に上がっている」(審査委員長を務めたオージス総研の渡辺博之氏).

 コンテストは2部構成.黒い線をトレースして走る「ショートトラック部門」と,コースの途中に白や灰色の区域をたどりながらゴールにたどりつく「レスキュー部門」の二つが設定された.ショートトラック部門はロボットの形状や使用する部品が規定されており,ロボットの速さや制御の性能は組み込まれたソフトウェアのみに依存する.また,コース・アウト時に,再びコースに復帰するしくみを組み込んだチームが多く,レースで効果を挙げていた.

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[写真2] もっとも速かったチームのモデル図
ショートトラック部門でもっとも速く走ったチーム「AEK Runner(アンリツエンジニアリング)」のモデル図.展示されたモデル図からは,シーケンス図やアクティビティ図を中心に設計したように見えた.

 ショートトラック部門のレース結果(走行時間)は,1位のチームが22秒84,2位のチームが23秒50,3位のチームが23秒65,という接戦になった(写真3).ショートトラック部門については競技内容が昨年とほぼ同じで,2年連続で出場したチームもいくつかあった.また,参加18チームのうちの11チームが完走した.

 本コンテストの技術委員会 CTOを務める二上貴夫氏(東陽テクニカ)は,「約20mのコースだから,秒速1m,つまり20秒の壁は切れると思う」と次回レースに向けて参加者を激励した.

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[写真3] ショートトラック部門のレースのようす
1度に2台ずつのロボットが走り,タイムを競った.

●レスキュー部門は今後に期待

 一方,レスキュー部門はゴールに至る道筋が複雑であり,今年初めての企画だったということもあって,参加した8チームのうち完走したのは2チームだけだった.しかし,ゴールへと懸命に進もうとするロボットの姿に,観客は熱いまなざしを送っていた(写真4).また,レスキュー部門はロボットの形状が自由なため,それぞれの個性が外観に表れた.

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[写真4] レスキュー部門のレースのようす
チーム「たまちゃん(オージス総研)」のロボット「ざりがにくん」.グラデーション区間に入ったとたん,光センサのついた両手をぱっと開いて会場を沸かせた.そのまま開いた両手でグラデーションをたどりながらゴールへと進む.

 モデル図についても,各チームのくふうが見られた(写真5)


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[写真5] レスキュー部門で「エクセレント・モデル」賞を受賞したチームのモデル図
チーム「たまちゃん」のモデル図.施したくふうがクラス図に書き込まれている.

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