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ルネサス,RXマイコン互換で演算性能を高めたCPUコアを開発
ニュース 2013年11月14日
ルネサス エレクトロニクスは,32ビットCISC(Complex Instruction Set Computer)マイコン「RXファミリ」と互換性を持たせながら演算性能を高めたCPUコア「RXv2」を開発した.本CPUコアを搭載したマイコンのサンプル出荷を2014年第1四半期より開始する予定.
RXファミリは,CISCマイコンの特徴であるバイト可変長命令などに,RISC(Reduced Instruction Set Computer)マイコンでよく使われる汎用レジスタ・マシン,ハーバード・アーキテクチャ,5段パイプラインなどを加えている.今回開発したCPUコアは,浮動小数点演算時に使用する汎用レジスタを工夫して処理サイクルを短縮させた.また,専用アキュムレータを64ビット×1本から72ビット×2本に増強したことにより,DSP(ディジタル信号処理)による32ビット固定小数点の積和演算に柔軟に対応できるようになった.開発したCPUコアでは,これらの演算処理とメモリ・アクセスの同時実行が可能であり,信号処理能力が大幅に向上したという.
スウェーデンIAR Systems社は本CPUコアの発表と同時に,本CPUコアに対応する開発環境(Cコンパイラ)「RX向けIAR Embedded Workbench」の提供を開始した.同社とIARシステムズは,CPUの処理性能を十分引き出すために,CPUの開発段階から情報を共有してきた.本CPUコアは,本開発環境において,4.0CoreMark/MHzを超える性能を実現したという.この数値は,既存のRXv1コアに対して同一周波数比で25%の性能向上を達成している.
本CPUは,既存のRXv1コアに対して消費電力も低減している.最大300MHzで動作可能なアーキテクチャとし,内蔵フラッシュROM向けにキャッシュ方式を最適化したAFU(Advanced Fetch Unit)を搭載することで,メモリ・アクセス回数を削減しつつ,メモリ・アクセス性能を向上した.さらに,40nmプロセスを採用することにより,既存のRXv1コア(90nmプロセス品)を採用した同等製品に比べて消費電力を40%低減したという.
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