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富士通セミコンダクター,デジカメ用画像処理LSIのアルゴリズムを一新して処理性能を2倍に
ニュース 2013年9月5日
富士通セミコンダクターは,デジタル・カメラなどに使われている画像処理LSI「Milbeaut」の新製品「MB86S22AA」を開発した.Milbeautは2000年から発売されており,今回の新製品は第7世代にあたる.本製品のCPUとして,マルチプロセッサ構成の「ARM Cortex-A5 MP」を搭載している.
本製品は,画像処理アルゴリズムを一新している.ノイズ・フィルタや周辺ボケ補正回路などを新たに開発したほか,歪み補正やパープル・フリンジ対策も強化した.また,処理ユニット構成を動的に切り替えることができるIIP(Integrated Imaging Processor)回路を新たに開発したことにより,従来品(第6世代)と比べて処理性能を約2倍にしたという.本製品の画像処理速度は,最大で2,400万ピクセル時に12fps相当である.
消費電力も低減した.米国SuVolta社と共同開発した低消費電力技術「Deeply Depleted Channel(DDC)トランジスタ」と同社の55nm製造プロセスを組み合わせた.DDCトランジスタは,トランジスタのしきい値電圧のばらつきを低減することにより,処理速度を落とさずに低い電源電圧で動作させることが可能である.また,電源制御回路も新たに開発した結果,従来品と比べて消費電力を約30%削減したという.なお,本製品は,DDCトランジスタを適用した初の製品である.
JPEG互換のHDRフォーマット「JPEG-HDR」(米国Dolby Laboratories社が開発した)を搭載しており,多ビットのHDR情報を扱うことができる.動画については,富士通研究所が開発したH.264/AVC動画圧縮アルゴリズムを搭載している.本製品では,フルHD 30pおよび60iのH.264/AVC圧縮伸長処理が可能.
既にサンプル出荷を開始している.
写真1 MB86S22AAの外観

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