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ルネサス,最大10MバイトのRAMやカメラ入力,グラフィックス/オーディオ機能などを内蔵するCortex-A9プロセッサを発売
ニュース 2013年6月21日
ルネサス エレクトロニクスは,最大動作周波数が400MHzのARM Cortex-A9コアを搭載する組み込みプロセッサ「RZファミリ」の第1弾として,「RZ/A1グループ」計15品種を発売する.最大10MバイトのRAMやカメラ入力,グラフィックス/オーディオ機能などを内蔵する.車載機器や産業用機器などに利用できる.ARM Cortex-A9コアを搭載する「RZファミリ」は,2012年10月に同社より発表されている.
RZ/A1グループは,「RZ/A1H」,「RZ/A1M」,「RZ/A1L」の3シリーズから成る.それぞれ,10Mバイト,5Mバイト,3MバイトのRAMを内蔵する.また,64Kバイトの1次キャッシュと128Kバイトの2次キャッシュを備えている.10MバイトのRAMを内蔵するRZ/A1Hについては,DRAMを外付けすることなく,WXGAサイズ(1280ピクセル×768ピクセル)の画像表示を実現できる.外部メモリのバス・クロック周波数は最大66.67MHz.バス・ステート・コントローラを内蔵しており,SRAM,バイト選択付きSRAM,SDRAM,バーストROMを直結できる.アドレス/データ多重化I/Oインターフェースに対応する.
RZ/A1HシリーズとRZ/A1Mシリーズは,OpenVG 1.1対応の2次元グラフィックス・アクセラレータ,ビデオ・ディスプレイ・コントローラ,ビデオ・デコーダ,ひずみ補正回路,ディスプレイ出力比較回路,JPEG CODEC回路,CMOSカメラ入力インターフェース,ピクセル・フォーマット・コンバータ,シリアル・サウンド・インターフェース,サウンド生成回路などを備えている.通信機能については,USB 2.0インターフェース,NANDフラッシュROMインターフェース,SD/MMCホスト・インターフェース,Ethernetコントローラ(10Mbps,100Mbps),Ethernet AVB(IEEE 802.1 Audio/Video Bridging)コントローラ,SPIマルチI/Oバス・コントローラ,16段FIFO付きシリアル通信インターフェース,CAN/LINコントローラなどを備えている.電源電圧はコア電圧が1.18V,I/O電圧が3.3V.パッケージは,外形寸法が11mm×11mmの256ピンBGA,28mm×28mmの256ピンQFP,19mm×19mmの324ピンBGAを用意する.
RZ/A1Lシリーズは,ビデオ・ディスプレイ・コントローラ,CMOSカメラ入力インターフェース,シリアル・サウンド・インターフェースなどを備えている.通信機能については,USB 2.0インターフェース,SD/MMCホスト・インターフェース,Ethernetコントローラ(10Mbps,100Mbps),SPIマルチI/Oバス・コントローラ,16段FIFO付きシリアル通信インターフェース,CAN/LINコントローラなどを備えている.電源電圧はコア電圧が1.18V,I/O電圧が3.3V.パッケージは,外形寸法が8mm×8mmの176ピンBGA,24mm×24mmの176ピンQFP,28mm×28mmの208ピンQFPを用意する.
RZ/A1HシリーズとRZ/A1Lシリーズは,現在,サンプル出荷中.
また,今回の発売に合わせて,イーソルは同社のソフトウェア開発環境「eT-Kernel Platform」が,横河ディジタルコンピュータは同社のJTAGデバッガ「adviceLUNA」が,RZ/A1グループに対応したことを発表した.さらにARM社も,RZ/A1グループに対応したソフトウェア開発ツール「ARM Development Studio 5(DS-5)Starter Kit for Renesas RZ/A1」を1年間無償で提供することを発表した.本スターターキットには,簡易版のコンパイラやデバッグ・解析ツールなどが含まれている.
加えて,ルネサス エレクトロニクスと英国ARM社は共同で,ARM Cortex-Mマイコン向けのリアルタイムOSである「Keil CMSIS-RTOS RTX」を本プロセッサに移植した.これにより,ARM Cortex-Mマイコン向けのソフトウェア資産を本プロセッサ上で実行しやすくなったという.このリアルタイムOSも,DS-5スターターキットといっしょに提供される.
写真1 RZ/A1グループの外観
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