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富士通セミコンダクター,車両の全周囲の監視と接近物検知を1チップで実現できる車載用画像処理LSIを発売
ニュース 2013年5月17日
富士通セミコンダクターは,車両の全周囲の監視(モニタリング)と接近物検知を1チップで実現できる車載用画像処理LSI「MB86R24」を発売する.同社は2012年5月に,自動車の全周囲立体モニタ・システムを実現できる画像処理LSI(MB86R10)を発表している.今回のLSIは,CPUコアの性能を約2倍に,GPUコアの性能を約5倍に高め,車両の全周囲の監視に加えて,車両に接近する物体を検知する機能も実現できるようにした.接近物検知のアルゴリズムは,富士通研究所と共同開発した.
CPUとして533MHz動作のARM Cortex-A9デュアルコアとARM Neon SIMDコアを,GPUとしてPowerVR SGX543コアと同社独自の2Dグラフィックス・コアを搭載する.200MHz動作時のPowerVR SGX543コアの描画性能は1Gピクセル/s,35Mポリゴン/sで,OpenGL ESやOpenVG,OpenCLといったAPIに対応する.
最大1920ピクセル×720ピクセル(プログレッシブ)の映像を2系統,最大1920ピクセル×1080ピクセル(プログレッシブ)の映像を1系統処理できるディスプレイ・コントローラ・コアを備えている.これにより,例えば自動車のセンタ・ディスプレイ,メータ・ディスプレイ,ヘッドアップ・ディスプレイの表示・制御を本LSIで一元管理できる.
映像入力は最大6系統の1920ピクセル×1080ピクセル(インターレース)に対応する.周辺インターフェースとして,I2CやI2S,UART,SUART,HS-SPI,SPI,USB 2.0,SD/MMC,FPD-Linkなどのインターフェース回路を備える.また,自動車でよく使われているCAN,Ethernet,MediaLB(Media Local Bus)といったネットワークのインターフェース回路も用意する.
2013年8月よりサンプル出荷を開始する.同社は2013年5月22日~24日にパシフィコ横浜で開催される「人とくるまのテクノロジー展」にて,本LSIを利用した全周囲立体モニタ・システムとマルチディスプレイ表示のデモ展示を行う.
図1 全周囲立体モニタ・システム

図2 接近物検知機能

写真1 MB86R24の外観

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