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QNXの車載インフォテイメント・システム構築環境がルネサスのR-Carに対応,アプリケーション開発用HTML5 SDKを2013年中ごろに出荷

 ルネサス エレクトロニクスとリアルタイムOSベンダのカナダQNX Software Systems社は,車載インフォテイメント(車載情報シシステム)分野で協業することを発表した.具体的には,QNX社の車載情報システム構築環境である「QNX CARアプリケーションプラットフォーム」をルネサス エレクトロニクスの車載情報端末向けシステムLSI「R-Carシリーズ」に対応させる.ルネサスのプロセッサは従来からQNX社のリアルタイムOSである「QNX Neutrino」をサポートしていたが,今回,リアルタイムOSだけでなく,車載情報システム向けのミドルウェアやデバイス・ドライバ,アプリケーション開発環境も含めて,トータルでサポートするという.またQNX社が,R-Carの普及推進団体である「Renesas R-Carコンソーシアム」に加盟したことも併せて発表した.

 ルネサスによると,同社が「QNX CARアプリケーショプラットフォーム」を評価した点は以下の三つ.すなわち,QNX社が今回の環境を車載情報システム構築のトータル・ソリューションとして提供しており,顧客の開発効率の改善を推進すると考えられる点,同社のリアルタイムOSは高信頼や堅ろう性で定評がある点,また北米と欧州で本環境の採用実績が多い点,である.

 QNX社は,2013年1月から「QNX CARアプリケーショプラットフォーム」の出荷を開始している.本環境は,車載情報端末向けシステムLSIのBSP(Board Support Package),QNX Neutrino,携帯端末用インターフェース(HTML5,MirrorLink,Apple iPod Out,BlackBerryインターフェース,Androidインターフェース,DLNA,USB,Bluetooth,Wi-Fi),自動車向け各種ミドルウェア(マルチメディア処理,音響処理,ASR統合モジュール,ラジオ統合モジュール,ナビ統合モジュール,ソフトウェア・アップデート機能),音声認識ソフトウェア,UI(User Interface)コア,HTML5アプリケーション環境から構成される.BSPが対応するシステムLSIのベンダには,ルネサス以外に,米国Freescale Semiconductor社,米国NVIDIA社,米国Texas Instruments社がある.いずれも車載情報端末向けシステムLSIとして,ARM Cortex-Aコアを搭載したデバイスを提供している.

 QNX社は,2013年中ごろ(今夏すぎ)にHTML5対応の統合開発環境「HTML5 SDK」の提供を開始する予定.アプリケーション開発にHTML5やJavaScript,CSS3が利用できるようになり,従来のC/C++による開発と比べて,ユーザ・インターフェース構築の敷居が下がるという.この開発環境には,実車上での動作を模擬するエミュレータやシミュレータ,デバッガ,APIなどが含まれる.



図1 QNX CARアプリケーションプラットフォームのアーキテクチャ概要

図2 統合開発環境の画面例

写真1 協業について発表したルネサス エレクトロニクス 自動車事業統括部 自動車情報システムソリューション部 担当部長の吉田 正康氏

写真2 QNXソフトウエア システムズ ビジネスデベロップメント マネージャ(アジア太平洋地区自動車分野担当)の中鉢 善樹氏

■連絡先
QNXソフトウエア システムズ
E-mail: japan_info@qnx.com
URL: http://www.qnx.co.jp/

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