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東芝,システム構成を変更しやすい14.5mm角の生体情報センサ・モジュールを開発
ニュース 2013年3月7日
東芝は,脈波や心電,体温などの生体情報をセンシングして無線で送信できる小型のセンサ・モジュール「Silmee(Smart Healthcare Intelligent Monitor Engine & Ecosystemの略.シルミーと発音)」を開発した.センサ・モジュールの外形寸法は14.5mm×14.5mmである.また,このセンサ・モジュールを用いた小型のウェアラブル・センシング装置を試作した.
本センサ・モジュールは,脈波センサのアナログ・フロントエンド回路,心電センサのアナログ・フロントエンド回路,加速度センサ,温度センサ,Bluetooth 4.0通信モジュール(デュアルモード),ARM Cortex-M3マイコンを一つのパッケージに組み込んだマルチチップ・モジュール(MCM)である.また,2種類のアナログ・フロントエンド回路もまた,マルチチップ構成になっている.これは,シリコン基板上にLSIチップやMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)チップを実装してエポキシ樹脂で固めたものであり,こうした高密度の実装手法を同社では「擬似SoC(Pseudo-SOC)」と呼んでいる.SoC(System on Chip)のように小型化しながら,マルチチップ・モジュールのように柔軟に構成を変更できるという.
試作した小型ウェアラブル・センシング装置の外形寸法は約25mm×約60mm,重量は約10g.装置背面の四つの端子を肌に当てることにより,心電と脈波,体表面の温度,加速度をリアルタイムに計測できる.一例として,睡眠時の状態や体の動きをモニタリングすることができる.本試作機の連続稼働時間は,計測値をリアルタイムに送信する場合で約2.5時間,計測値を蓄積しておきまとめて送信する場合で約8時間だという.
[図1] センサ・モジュール「Silmee」の構成
[図2] 「擬似SoC」の説明資料(なお,今回のモジュールにはMEMSチップは入っていない)
[写真1] センサ・モジュール「Silmee」の概観
[写真2] 試作した小型ウェアラブル・センシング装置(写真左:充電器に納めたところ,写真右:裏面)
[写真3] 計測値を表示しているところ
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